デヴィッド・ボウイはなぜ今も魅力的なのか 現役パンクスがドキュメンタリー映画を紐解く

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 時代とともにデヴィッド・ボウイの人物像を描いていくと、彼は常に自らが先導者となり人々に新しいものを届けてきたことが浮き彫りとなる。初めて地球が世界中の人々に映し出されたときに出来た曲「スペース・オディティ」で「地球は青く、私に出来ることはない」と歌うボウイは常に変化し続けていく。特にファッションの移り変わりには特筆すべきものがあり、ビジュアルによって人に与える影響をも常に考え、誰もがやらなかったことを実践していく。テレビでデヴィッド・ボウイを見たときの衝撃を話す観客たちの姿からは、当時の衝撃の凄まじさの一端が見えてくる。そしてそれがデヴィッド・ボウイたる所以であり、人々を虜にして止まない魅力なのではないだろうか。

 オリジナリティの塊で、自由と個性の人デヴィッド・ボウイは時代ごとにあらゆる常識を覆し、本物のロックを実践した。「社会のはみ出し者はここに来い」と言ったデヴィッド・ボウイ自身が文化であり、この映画も回顧展も、そんなデヴィッド・ボウイを自由に捉えてもらえるように演出したのではないだろうか。「デビッド・ボウイ・イズ」デヴィッド・ボウイとは?……決めるのはあなた自身だ。

■ISHIYA
アンダーグラウンドシーンやカウンターカルチャーに精通し、バンド活動歴30年の経験を活かした執筆を寄稿。1987年よりBANDのツアーで日本国内を廻り続け、2004年以降はツアーの拠点を海外に移行し、アメリカ、オーストラリアツアーを行っている。今後は東南アジア、ヨーロッパでもツアー予定。音楽の他に映画、不動産も手がけるフリーライター。
FORWARD VOCALIST ex.DEATH SIDE VOCALIST

■作品情報
作品名:『デヴィッド・ボウイ・イズ』
監督:ハミッシュ・ハミルトン
司会:ヴィクトリア・ブロークス、ジェフリー・マーシュ
尺:約97分
字幕:日本語字幕あり
素材:DCP
※再上映、ソフト発売は未定。

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