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FORWARD・ISHIYA『LOOKING FOR JOHNNY ジョニー・サンダースの軌跡』映画評

伝説のロッカー、ジョニー・サンダースの生涯とは 世界初のドキュメンタリー映画を観る

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ジョニー・サンダース

 今なお音楽界に影響を色濃く残すミュージシャン、ジョニー・サンダース。91年に悲劇的な死を迎えるまでの、破天荒な生涯を追った世界初のドキュメンタリー映画『LOOKING FOR JOHNNY ジョニー・サンダースの軌跡』が、4月25日(土)より新宿シネマカリテにて公開される。映画の公開に先駆け、ハードコア・パンクバンド、FORWARDのISHIYA氏が同作の魅力を案内する。(編集部)

 NEW YORK DOLLS、THE HEART BREAKERSといったバンドの名前を聞いたことぐらいはあるだろう。そのバンドの中心人物で、RCサクセションの忌野清志郎、THE BLUE HEARTSの甲本ヒロトなどにも多大な影響を与え、今現在でも多くのミュージシャンに影響を与え続けているギタリスト。それが今回の映画になった男、ジョニー・サンダースである。

 世の中では「ダメ。ゼッタイ。」「覚せい剤やめますか? それとも人間やめますか?」などのキャッチコピーとともに麻薬撲滅を訴えている。しかし、この世の中からドラッグがなくなることはないし、何をいってもやる奴はやる。そんな聞く耳を持たない人間の代表みたいな男がジョニー・サンダースだ。

 しかし、神は彼に天才的なギタープレイとソングライティングのテクニックを与えた。冒頭、ジャンキー丸出しの風体で「いつも闘いながら生きてきたんだよ。倒した相手の数を銃に刻んで進むんだ」と、ボソボソ語るジョニーの言葉は、「これぞジョニー・サンダースだ!」と思わせる鋭さで、観る者の心に深く突き刺さる。NEW YORK DOLLSの前身バンド時代にドラッグを憶えたジョニーは、それ以降死ぬまでドラッグに依存する。

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NEW YORK DOLLS(写真はボーカルのデイヴィッド・ヨハンセン)

 作品中で当時の関係者達が、時代ごとに登場しジョニーの逸話を語るが、ドラッグとは切っても切り離せない人間だったことが、嫌というほど伝わってくる。インタビューでジョニーは「ドラッグには依存していない」と語るが、頻度としては毎日やっているとも語る。もう完全にメチャクチャだ。

 NEW YORK DOLLSの影響は大きく、ファッション・言動・暴力から、ステージングやサウンドにいたるまでのすべてが当時のニューヨーカー達を刺激し、後のニューヨークパンクを生み出すことに繋がる。だが、この頃にはすでにヘロインやコカインなどにも手を出しており、ドラッグにまつわる話は後を絶たない。そして、NEW YORK DOLLSはドラッグにより崩壊する。

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THE HEART BREAKERS

 その後、THE HEART BREAKERSを結成するが、このバンドもNEW YORK DOLLSに輪をかけたようなドラッグまみれのバンド。NEW YORK DOLLSの初代ドラマーもドラッグの過剰摂取によりイギリスツアー中に死亡しているが、その後に入ったドラムの盟友ジェリー・ノーランとはNEW YORK DOLLSを崩壊させる原因を作るほどのドラッグ仲間。そのジェリーとのTHE HEART BREAKERSは、SEX PISTOLS、THE CLASHとともに「アナーキー・イン・ザ・UK ツアー」をイギリスで行い、THE HEART BREAKERSは当時のパンクの中でひと際異彩を放つロックバンドとして人気を集め、契約にこぎ着けアルバムを発表するが、やはりドラッグにより崩壊する。

     
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