東海岸には禁欲的な“ストレートエッジ”のパンクスも 現役パンクロッカーが米国各地のシーンを紹介

アメリカ中部では、テキサスが注目を集めている

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テキサスフェスの夜の部で行われたライブの様子。メイン会場と違う場所だが、いくつものライブハウスに客が集まる。

 アメリカ中部では南部のテキサスに大きなシーンがあり、北部のミネソタ州ミネアポリスやイリノイ州シカゴもパンクが盛んだ。テキサス州オースティンではCHAOS IN TEJASと言うパンクのフェスが2005年~2013年まで開催されていて、世界中のパンクバンドが集まる一大イベントとなっていた。2回ほど出演し、1度遊びに行った事があるが、街中が3~4日間パンクスだらけになるというとんでもないイベントで、そのイベント効果により近年テキサスがアメリカパンクシーンで注目されたと言っても過言ではない。テキサスパンクと言えばMDC、DICKS、ANTiSEEN、OFFENDERS、D.R.I.などのほか、近年ではWORLD BURNS TO DEATH、WILD TRIBEなどが代表的なところだろう。

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アメリカ南東部アトランタのライブハウスの外の様子。ライブ前にはこうして客同士で集まり盛り上がる。

 今年も筆者のバンドが出演したフェスのFUN FUN FUN FESTも行われ、Judas PriestやDinosaur Jr.、Dead Kennedysのボーカルだったジェロ・ビアフラ、Gorilla Biscuits、King Diamond、Sick of It Allなどが出演した。このあたりのアメリカのフェスの模様は別の回で書きたいと思うが、そういったビッグフェスが開催されるテキサスはここ10年ぐらいアメリカパンクシーンには欠かせない街となっている。

 一方、北部ではミネソタ州のミネアポリスに確固としたシーンが存在し、イリノイ州シカゴも沢山の客が集まる街だ。2004年に初めてアメリカツアーをやった際に最初に訪れたのがシカゴ、ミネアポリスで、その頃からすでに盛り上がりを見せている、アメリカでも大きなシーンがある地域だ。

 ほかでは少し離れるが、ミシガン州アナーバーと言う街も珍しい。デトロイト近郊の街で、ミシガン州立大学があるだけの小さな街だが、The StoogesとMC5を輩出した街なだけあり、「この街の規模でこんなに人が来るのか?」と驚かされる。初めてハウスショーをやったのもアナーバーで、かなり盛り上がったのが印象に残っている街だ。

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