人情話から下ネタまで……面影ラッキーホールが描き出す、市井の生々しい人生物語

 本格的なファンクミュージック、ソウルミュージック、R&Bをベースにしながら、演歌、歌謡曲などのテイストを巧みに取り入れたバンドサウンドもO.L.Hの大きな魅力。1月14日にはベストアルバム「グレイテスト・ヒッツ? 〜update 面影ラッキーホール」もリリースされる。日本の現代思想の巨人、故・吉本隆明が「この人はうますぎるほどの物語詩の作り手だ」と称し、宮藤官九郎、町山智浩、一青窈なども絶賛するO.L.Hの歌世界をじっくりと堪能してほしいと思う。

(ちなみに舞台「いやおうなしに」の演出を手掛ける河原雅彦、出演陣の古田新太、田口トモロヲ、三宅弘城もO.L.Hの大ファンだとか。さらに公演では小泉今日子が“好きな男の名前〜”を歌う予定だという。先日、出演者のひとりに話を聞いたところ「すっかり自分の歌にしている。『夜明けのMEW』みたい」と言っていたのだが本当だろうか。ぜひ確かめてみたい)

(文=森朋之)

■リリース情報
『Only Love Hurts / Greatest Hits !! ~updated 面影ラッキーホール~』
発売:1月14日(水)
価格:¥2.600(w/o tax)

<収録楽曲>
1「俺のせいで甲子園に行けなかった」(re-recorded)
2「今夜、巣鴨で」(re-recorded)
3「あんなに反対してたお義父さんにビールをつがれて」(re-recorded)
4「好きな男の名前腕にコンパスの針で書いた」(re-recorded)
5「ピロウトークタガログ語」(re-recorded)
6「必ず同じところで」(re-recorded)
7「給料日さん」(re-recorded)
8「あたしだけにかけて」(re-recorded)
9「パチンコやってる間に産まれて間もない娘を車の中で死なせた・・・夏」(re-recorded)
10「愛のブラックホール」(unreleased)
11 bonus track 「小さなママに」(unreleased)

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