ミスチルや平井堅らのヒット曲に見られる「小悪魔コード進行」とは? 亀田誠治とスキマスイッチが解説

“小悪魔コード進行”の進化系“泣きの進行”

 番組後半では、亀田が“小悪魔コード進行”の進化系として“泣きの進行”があると「F→G→Em→Am」で「Em」を「E7」に変える形を紹介。スキマスイッチの常田真太郎はそれによってこみ上げる思いを表現することができるとし「ループを最後に変えたい時に使って、『終わるのかな?』って思わせる」と、クライマックスへの盛り上がりの際にもピッタリの進行だと語った。

 また、亀田は自身が手掛けた平井堅の「瞳をとじて」でこのコードを使用しており、「サビの1周目は小悪魔、2周目で泣きを入れた」と、意図的に使い分けてヒット作を作り上げたことを紹介した。

 番組の最後では、常田が「作るうえでの力強さや切なさを盛り込んだコード進行なので、曲を作りたい方はここから入っていくといい教材になると思う」と、作曲の勉強に向いている進行であることを語ると、亀田が「小悪魔コード進行は、J-POPらしい侘び寂びをいとも簡単に表現できる魔法のコード。だから頼りすぎてしまう傾向もあったりする」と警鐘を鳴らした。続けて「『どこかで聴いた曲』で終わる可能性があるから、アーティストは歌詞や“泣きの進行”、分数コードを使って工夫する。どれだけ翻弄されても負けないくらいの思いを曲に込めて、末永くこの小悪魔ちゃんを可愛がってあげてください」と語り、番組は終了した。

 そのほか、亀田が音楽にまつわる場所を探訪する「亀さんぽ」というコーナーでは、日比谷野外音楽堂のルーツである小音楽堂を訪れた今回の放送。次回11月14日の放送ではゴスペラーズをゲスト講師に迎え、「ハモハモ大作戦」を講義する予定だ。

(文=向原康太)

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