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栗本斉の「温故知新 聴き倒しの旅」

山下達郎や大瀧詠一もリスペクト アカペラ界の大御所ザ・キング・トーンズの色褪せぬ魅力とは?

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20141016-king.jpgザ・キング・トーンズ『Doo-Wop! STATION』(SOLID)

 一時期、アカペラ・ブームというのがありましたね。ゴスペラーズが大ヒットを飛ばしたことを皮切りに、テレビで「ハモネプ」(フジテレビ系)が始まると、RAG FAIRやINSPiといったグループもブレイクし、それまでは音楽ファンにもそんなに知られていなかったボイス・パーカッションなんてものまでお茶の間に広まりました。絶頂期には、バンドをやるよりもアカペラやってるほうがモテたとか、そうでないとか……。

 きっかけはどうであれ、アカペラに注目を集まったことはいいことなんですが、きっと昔からアカペラを好んで聴いていた方にとっては、ちょっと複雑な気持ちもあったのかな、と思うわけです。例えば、山下達郎は80年代に『ON THE STREET CORNER』という画期的なひとり多重録音のアカペラ作品を作り上げましたし、スターダスト・レビューのコーラスワークもその後のJ-POPシーンに大きな影響を与えました。ですので、アカペラは一過性のものではなく、そういった先輩方が培ってきた功績があってこそ、ということも若者たちに伝えておくべきでしょうね。

 そして、そんな開拓者たちがこぞってリスペクトする大御所グループが存在します。それが、ザ・キング・トーンズ。ファルセットが魅力的な内田正人を中心に1950年代末に結成され、米軍キャンプで鍛えたという実力派。彼らの場合は、無伴奏のアカペラというよりは、当時のソウル・ミュージックで多用されたドゥーワップというコーラス・スタイルを模していました。「オンリー・ユー」で知られるザ・プラターズのような感じといえば伝わりやすいでしょうか。1968年にリリースしたデビュー・シングル「グッド・ナイト・ベイビー」は大ヒットし、紅白歌合戦に出るほどの人気を集めます。

 ヒット曲のせいもあって、歌謡曲のコーラス・グループのように思われるのですが、ライブでのレパートリーの大半は洋楽のカバーですし、あの山下達郎が「LET’S DANCE BABY」や「TOUCH ME LIGHTLY」といった名曲を提供するなど、単なる懐メロ・グループでは片付けられません。そのことは、今回紹介するアルバム『Doo-Wop! STATION』を聴けばわかるでしょう。

      

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