『堂本兄弟』が13年半の歴史に幕 KinKi Kidsの成長と番組の功績を振り返る

 KinKi Kidsが司会を務める音楽バラエティ番組『新・堂本兄弟』(フジテレビ)が9月28日に最終回を迎えた。

 同番組は、Kinki Kidsの2人とレギュラー陣、ゲストによるトークやスペシャルセッションを中心とした番組構成で人気を博し、前身番組『堂本兄弟』(2001-2004年)を含めると約13年半ものあいだ放送が続いた。KinKi Kidsの2人にとってはホームグラウンドであり、彼らの成長の場でもあっただろう。番組の終了によせて『堂本兄弟』の魅力を振り返りたい。

豪華アーティスト・芸能人による赤裸々トーク

 トークタイムでは、KinKi Kidsが司会力をいかんなく発揮。にこやかに進行を務める光一と、低めのテンションでツッコミを入れる剛というバランスのとれた2人のトークに支えられ、俳優などバラエティ慣れしていないゲストが普段は見せない顔をのぞかせることも。例えば松たか子は、自宅で顔面パックをしながら、仰向けに寝転んで下半身を揺らす“金魚運動”の機械を使っているというエピソードを披露。光一に「かっこわりー!」と笑われると、椅子から立ち上がる勢いで「気持ちいいんですよ、すごく!」と必死に自己弁護していた(2001年6月17日)。また、ゲストが番組からの質問や要望に答える“一問一答”コーナーでは、竹内結子や菅野美穂が変顔を披露したこともあった。

 ジャニーズのメンバーが出演する回では、くつろいだ雰囲気のなかで先輩・後輩ならではのトークが繰り広げられることも。関ジャニ∞が出演した2008年10月26日放送の回では、剛が横山裕と村上信五に対し「(渋谷)すばるとか錦戸(亮)がトークまで達者やったら、おまえら運転手でええもんな」と言い、横山に「先輩やからどつかないだけですよ!」とツッコまれる一幕もあった。長瀬智也が出演した2002年2月3日の回では、長瀬と親交が深いことで知られる光一が「長瀬は便座カバーにこだわりを持っている」と明かすなど、ジャニーズ同士の赤裸々な会話が楽しめるのも同番組の魅力だった。

番組を支えてきた凄腕ミュージシャンたち

 同番組を語る上で欠かせないのが、高見沢俊彦(THE ALFEE)をはじめとする個性豊かなレギュラー陣だ。「堂本ブラザーズバンド」としてセッションをするほか、一部のメンバーはトークにも参加していた。放送終了時のレギュラーは高見沢のほかに、西川貴教、高橋みなみ、樽美酒研二(ゴールデンボンバー)。不定期出演や演奏のみのメンバーも加えると、武田真治、槙原敬之、DAIGO、吉田建、土屋公平などそうそうたる顔ぶれだ。過去には、シャ乱Q・まことやLUNA SEA・真矢、GACKT、吉村由美(PUFFY)、深田恭子、堂島孝平など出演し、番組を盛り上げた。

 セッションパートは、郷ひろみ×坂崎幸之助による「この世界のどこかに」(2001年12月23日)、吉田拓郎×KinKi Kids×高見沢俊彦×ジェイク・シマブクロによる「結婚しようよ」(2004年4月4日)、北島三郎×KinKi Kidsによる「まつり」(2011年2月27日)など、同番組でしか見られない豪華コラボレーションも多かった。また、ミュージシャンではないゲストも歌声を披露。真矢みきによる「瞳をとじて」(2005年1月16日)、井上真央による「プラネタリウム」(2006年4月16日)、榮倉奈々による「ハナミズキ」(2009年3月15日)など、女優の貴重な歌唱シーンを楽しめる回もあった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる