アイドルが運営に恋をしてしまったら…? 姫乃たまがPIP総合プロデューサー濱野智史に問う

 ところで、私はPIPに入れません。なにせ気が小さいので、同世代の女の子たちと毎日のように顔を突き合わせて、誰が人気あるとか、誰々が悪口言ってたとか、推されてるとか干されてるとか、想像しただけで心もとなくなります。

 一番、懸念されるのが、その緊張感が吊り橋効果となって、一番身近な異性である運営に恋心が向いてしまうことです(ソロ活動が長すぎて、グループに対する想像が激しい)。

 濱野さんは、「それはないでしょ!」と笑っていましたが、ふと真面目な顔で「でも人は恋愛と尊敬を混同しがちですよね。運営としてはある程度、尊敬されることは必要ですが……。例えば女子高の生徒が先生と付き合っちゃうのもそういうことでしょうし」と考えていました。でも、いや、それはないなと言い直して笑っていました。

 一方でファンからのトラブルに関しては、「まだできたばかりのグループなのでありません。普通の人も最初からストーカーしてやろうと思って、ストーカーになることは滅多にないですから」としながらも、「レスがほしいとか、認知されたいとか、最初はささいな承認欲求なんだけど、それをこじらせると厄介ヲタ化してトラブルになるので、運営がメンバーをちゃんと見守っているという態度はきっちり取ります。そのために、ブログのコメント欄も僕が全部チェックしてますから」と、きっぱりしていました。

 アイドル側も見てほしい応援してほしいなどの欲求があるので、いかに両者が爽やかに欲求を満たしあえるかが重要なのだと思います。これはフリーで活動していくうえでも、一番重要であり難しいところです。

 きっちり管理してくれる運営がいるのは羨ましいですが、自分の考えで活動しているフリーのアイドルが好きな層もあるので悩ましいのです。運営がついた途端にファンが離れていったという話はよく聞きます。

 最後に、メンバーに恋愛が発覚した時はどうしますかと聞くと、「ぶっちゃけ、その子の人気によって対応は変わってくると思いますけど」と運営らしい発言の後、「うわあ、でも変な彼氏とか出てきたら嫌だなあ」と、お父さんのようなファンのような複雑な顔をしていました。

「PIPをやってて、とても楽しいですよ。楽しいだろうなと思って始めたらやっぱり楽しかった。将来の目標も今後の展開もありますけど、今はただ、メンバーたちがひたすら楽しいと思えるまま進んでいけたら、それが理想ですね」私もひとりのアイドルとして、最終形態のアイドルを見守っています。

■姫乃たま
1993年2月12日下北沢生まれの地下アイドル。2009年より都内でのライブ活動を中心に地下アイドル活動を開始、2011年よりライターとしても活動している。他に司会やDJ、イベンターなど活動は多岐にわたる。
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