金爆が“特典ゼロ”シングルでやろうとした本当の狙いとは? 歌謡ロック的サウンドから読み解く

参考:2014年08月18日~2014年08月24日のCDシングル週間ランキング(2014年09月01日付)(ORICON STYLE)

 今週のオリコン週間シングルランキングは、EXILE TRIBEのニューシングル『THE REVOLUTION』が1位を記録。ゴールデンボンバー『ローラの傷だらけ』が約4.3万枚で2位となった。

 EXILE TRIBEについては前回のチャート分析記事で触れたので(参照:EXILE、増員戦略でセールス倍増 総帥HIROの次なる一手とは?)、ここでは2位のゴールデンボンバー『ローラの傷だらけ』について詳しく掘り下げていきたい。というのも、このニューシングルは様々な面で今の音楽業界のシステムに対しての問題提起を投げかけた、非常に挑戦的な一枚になっていたのである。

 すでに各方面で報じられている通り、真っ白なジャケット写真に、握手券やDVD、写真などの販促特典を一切付けない異例のパッケージで販売された今回のシングル。初回盤・通常盤などの複数仕様も存在しない。鬼龍院翔は「どこまで音楽以外の要素を削ぎ落とすことができるのかを考えた」と、オフィシャルYouTubeチャンネルのインタビューで語っている。

シングル「ローラの傷だらけ」鬼龍院翔インタビュー

 「こういう売り方をしたらCDの売り上げがどれだけ下がるのかをハッキリさせたかった」と語っていた鬼龍院翔だが、結果は、前回のシングル「101回目の呪い」の約15.8万枚を大きく下回る数字となった。事務所やレーベル側が予測していた3万枚を大きく上回り、レコード店では品切れが相次いだのだが、それでも前回からは約11.5万枚のセールス減となった。

 「この数字から今の音楽とは一体何なのか、音楽は一体どのように消費されているのか、それらが見えてくると思います。誤解を恐れず言うと、僕たちのCDの売り上げ枚数でいうと音楽は特典に勝てない」と、鬼龍院翔はブログ記事で今回の結果を分析。一方、今回とは別に握手会の特典付きの無音CDを発売しようと提案したが通らなかったことも明かしている。

 というわけで、様々な波紋を呼んだ今回のニューシングルだが、では、肝心の楽曲はどういう内容なのだろうか?

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