嵐・相葉雅紀の歌声はなぜグッとくる? 真っすぐな表現のルーツを辿る

 そんな相葉が影響を受けたミュージシャンは、今なお多くの人々に愛聴され続けるパンクロックバンド、ザ・ブルーハーツ。メッセージ性の強い歌詞を、無骨な声でストレートに響かせるスタイルは、音楽性は違えど、現在の相葉の姿勢に影響を与えているのかもしれない。相葉はデビューして2年余り経った2002年の3月、肺気胸のため入院し、一時活動休止を余儀なくされていた。そんな折り、彼の心を勇気づけたのはザ・ブルーハーツの音楽で、甲本ヒロトの歌詞のひとつひとつを噛み締めるように聴き込んでいたというエピソードは、ファンには知られたところだろう。

 天然キャラとして知られる一方、情深く穏やかな人柄で活躍の幅を徐々に広げてきた相葉。彼がそのようなパーソナリティを確立した背景には、甲本ヒロトの熱いメッセージがあったことに思いを馳せると、より彼の魅力が浮かび上がってはこないだろうか。

(文=松下博夫)

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