NICO Touches the Walls、4年前の武道館リベンジ完遂 来年冬に向けてさらなるリベンジ宣言も

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 NICO Touches the Wallsが8月19日にキャリア2度目となる日本武道館公演を開催した。

 2010年3月に初めて武道館に立った際は、チケットを完売させることができなかった彼ら。MCでも光村龍哉(Vo, G)は「4年前は5000人くらいしか入ってなかった」と語り、それ以降、バンドは「武道館に再び立ち、満員の観客の前でライブを成功させること」を目標として掲げ、幾度となく「リベンジ」を口にしてきた。そして、8000人のオーディエンスを前に、バンドのこれまでの集大成とも言えるパフォーマンスを届けた。

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 ステージは最小限の機材だけが並ぶシンプルな形。演出も照明とステージ後方に設置されたLEDスクリーンにメンバーの演奏シーンを映し出すだけにとどめ、“生身のNICO Touches the Wallsのステージ”を見せる流れで進行した。

 定刻を迎え、満員の観客の前に笑顔で姿を見せた4人は「Broken Youth」で2度目の武道館公演のオープニングを飾った。セットリストは彼らがあらかじめ宣言していた通り、武道館ライブを意識して作ったという『ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ベスト』の楽曲を軸に構成。「THE BUNGY」「夏の大三角形」といったライブの鉄板ナンバーの中に、新曲「バケモノ」を挟み込んだり、4人が激しく音をぶつけ合う初期曲「B.C.G」を披露したりと起伏のある流れで観客を惹き付ける。

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 中盤では、2月から1ヶ月間に渡って行ってきた『ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ヒミツキチ カベニミミ』について光村が語り、「Heim」「バイシクル」を柔らかなアコースティックセッションを展開。200人程で満員になる小さなスペースで「カベニミミ」は行われ、そこで改めてNICO Touches the Wallsは観客とのコミュニケーションの取り方を学んだのかもしれない。コーラスワークや、言葉と言葉の間の息遣いも歌の表現力に変え、観客との心の距離を縮めていくようだった。

 終盤では「ローハイド」「ニワカ雨ニモ負ケズ」「手をたたけ」とアッパーなナンバーで広い会場を揺らした。中でも「手をたたけ」で起こった大合唱は印象的だった。2月にベストアルバム『ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ベスト』をリリースし、改めてバンドを存在を広め、かと思えば、「カベニミミ」のような小規模で密度の濃い展開を見せ、対バンツアーで、様々なバンドとライブをすることで多角的にファンを獲得したり、この武道館まで【攻め、リベンジ】というキーワードを掲げ、数々の企画に挑戦し、いろいろな距離感でファンとコミュニケーションをとってきた。そのコミュニケーションがひとつに集まって、大合唱を起こしたのだろう。ラストは武道館公演のテーマ曲とも言える「天地ガエシ」をプレイし、紙吹雪が舞う中、4人は歌詞を噛み締めながら楽器を高らかに鳴らし、オーディエンスに4年前のリベンジを果たしたことを証明した。

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 アンコールで光村はメンバーを代表し「みんなのおかげで華麗なリベンジが果たせたと思います」と観客に感謝の思いを伝え、「正直やりたかったけど、やれなかった曲があと5倍くらいある。悔しいからまだまだやりたい曲をやるリベンジを来年、果たそうと思います」「来年の冬に東京と大阪で、ここにいる1人残らず入れる会場でお会いしたいと思います」と宣言。より大きな会場でライブを行うことを約束したあとは、“夢”をテーマにした「TOKYO Dreamer」のパフォーマンスへ。そして“再会”を匂わせるアッパーチューン「N極とN極」でライブはクライマックスを迎える。それぞれの楽器を置き、ステージの中央に並んだメンバーは「引き続き俺らのリベンジに付き合ってください。また必ず会いましょう、NICO Touches the Wallsでした!」と叫び、万雷の拍手に見送られステージをあとにした。

 なおNICO Touches the Wallsは本日8月20日に武道館でも披露した「TOKYO Dreamer」を、ニューシングルとしてリリース。月末には山梨・山中湖交流プラザきららで行われる野外イベント「SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2014」に出演し、秋口には学園祭ツアーを回るなど、“新たなリベンジ”に向けて精力的に活動を続けていく。
また本日(19日)22時から「TOKYO Dreamer」のカップリングである「バケモノ」のオリジナルバージョンが公開となった。

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(撮影=岡田貴之)

■セットリスト
1. Broken Youth
2. THE BUNGY
3. ホログラム
4. 夏の大三角形
5. 妄想隊員A
6. B.C.G
7. バニーガールとダニーボーイ
8. アビダルマ
9. バケモノ
10. Diver
11. Heim
12. バイシクル
13. Mr.ECHO
14. ローハイド
15. ニワカ雨ニモ負ケズ
16. 手をたたけ
17. 天地ガエシ
<アンコール>
18. image training
19. TOKYO Dreamer
20. N極とN極

■「バケモノ」オリジナルバージョン
https://www.youtube.com/watch?v=ar-tc4N8OMg

http://www.nicotouchesthewalls.com/
http://www.nicotouchesthewalls.net/

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