フジロックなどの大規模フェス、ホスピタリティ面での変化は? 各運営元に聞いてみた

『SUMMER SONIC』の場合

 今年で15年目を迎えるサマソニは、東京・幕張と大阪・舞洲の2会場で行われる海沿いのフェス。運営元のクリエイティブマンに取材を実施したところ、「昨年の猛暑を踏まえて暑さへの対策を整備しました」と語ってくれた。対策の内容について、担当者は「日除けのスペースを外のエリアに増設したり、ミスト(霧)の機械を増やしました」と語ったほか、「配布するものではないのですが『ヒヤロン』などの冷却材の販売も検討しています。また、急な雨にも対応できるように、カッパを販売できるよう準備をしています」と、天候への対策を行っていることを明かした。

 ステージ前方の観客に対して水撒きをしたり、定期的に放送などで自己管理を呼び掛けるなど、15年に渡る歴史の中で培ってきた対策法も継続して行っていくという。

『RISING SUN ROCK FESTIVAL』の場合

 北海道・石狩で8月15日(金)、16日(土)に行われる同フェスは、広大な土地を使ったキャンプが来場者にとっての楽しみの一つである。しかし、メインステージ近くに拠点を構えることができる『HEAVEN’Sテントサイト』は、毎年チケットの争奪戦が起こってしまうほど大人気のエリア。同フェスの運営を行うWESSの担当者は、この“チケット争奪戦問題”に対し「メインステージとして使用している『SUN STAGE』の向きを斜めに変え、『HEAVEN’Sテントサイト』の面積を広げました」と、工夫を凝らしたことで一気に売り切れることは無くなり、利用者数を増加させることに成功したと語った。

 また、同フェスは例年、環境への取り組みとして、ごみを13種類に分別・再利用しているが、今回はそれに加えて石狩の地域にある“材料として使いづらい木”を使った「薪割り企画」も実施。割った薪は地元の石狩を中心に有効利用されるという。

 毎年、工夫を凝らした新施策や改善を行っている大規模フェス。海外のフェスに比べて基本的なホスピタリティが高いとされている日本のフェスだけに、今年はさらに快適に過ごせそうだ。
(文=編集部)

■ライブ情報
『FUJI ROCK FESTIVAL'14』
日時:7月25日(金)、26日(土)、27日(日)
場所:新潟県 湯沢町 苗場スキー場
公式HP

『SUMMER SONIC 2014』
日時:8月16日(土)、17日(日)
場所:東京・QVCマリンフィールド&幕張メッセ/大阪・舞洲サマーソニック大阪特設会場
公式HP

『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2014 in EZO』
日時:8月15日(金)、16日(土)
場所:石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ(北海道小樽市銭函5丁目)
公式HP

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