笑顔でネガティブな気持ちを歌うアイドル いずこねこの「終わらせ方」を読む

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いずこねこでやろうとしていた事を全部詰め込む

 昨今のアイドルシーンにおいては、ももクロ、BABYMETAL、でんぱ組.incのように「他とは差別化されたコンセプトが徹底的に貫かれていること」がブレイクの大きな鍵となることが多い。いずこねこはその条件を満たしていたし、だからこそ主演映画には気鋭のクリエーターが結集することに至ったのだろう。先日、キャストとして本作で脚本、コミカライズを手掛ける西島大介と、ネット系モデルの緑川百々子が出演することも発表された。

 実は筆者はいずこねこが始まる前から、プロデューサーのサクライ氏と知り合いで、プロジェクトが立ち上がってからは定期的にライブを観たり、ずっと音源を聴いていた。だからこそ、いずこねこが終わってしまうのは寂しいし、いずこねこならもっとたくさんの人に見て貰えるような場所にまで行けただろうと、勿体ないと思う気持ちが大きい。けれど「この映画作品でいずこねこでやろうとしていた事を全部詰め込みたい」とサクライ氏が言っているのだから、あとは最後まで見届けることしかできないだろうと思う。活動の最後にここまでクリエイティブを詰め込んで終われるアイドルなんて、そうはいないのだから。

 アイドルとして、そしてその終わらせ方も唯一無二となるいずこねこの最後の展開に、是非注目して欲しい。

■いずこねこ
11月9日生まれ。2011年に活動開始。大阪在住の「茉里」によるソロユニット。プロデューサーはサクライケンタ。
アイドルらしからぬ音楽性(現代音楽POP)と、これぞアイドルなステージがギャップを生み、不思議な世界観を作り出す。
キャッチコピーは「アイドル=偶像」。
2013年11月に行われた2ndワンマンライブには約500人を動員。
タワーレコードの『NO MUSIC, NO IDOL?』ポスターの第45弾アーティストに起用された。
オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter

■岡島紳士(おかじま・しんし)(@ok_jm
1980年生まれ。アイドル専門ライター。著書、共著に『グループアイドル進化論』、『AKB48最強考察』、『アイドル10年史』『アイドル楽曲ディスクガイド』など。埼玉県主催「メディア/アイドルミュージアム」のアドバイザーと、会期中に行われた全9回の番組&イベントMCを担当。DVDマガジン『IDOL NEWSING vol.1』を手掛けている。
オフィシャルサイト

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