『HARE NOVA Vol.02』ライブレポート 「音楽の新しい時代を作るのはやっぱり人間」

vivid undress

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 4番目に登場した男女混合5人組バンドのvivid undressは、ステージに立ったそのたたずまいの自体で、他の出演バンドとは異質のプロフェッショナルな洗練をまとっていた。フロアの前方には、早くも固定ファンの姿もチラホラ。演奏が始まった瞬間、まずその出音の分厚さとアレンジの巧みさに驚愕。そして、何よりも衝撃的だったのはボーカルkiilaの歌声。天空まで突き抜けるような高音から、ちょっと椎名林檎を思わせるような低音まで、そのあまりにも吸引力の強い声の力にゲストコメンテーターたちの間にもどよめきが。バンドメンバーも個性派揃いで、オネエキャラ(?)の鍵盤担当rioによるMCと演奏中のダンスに会場全体が沸いていた。あらゆる意味で、破格のスケールのバンドだった。

■ゲストウォッチャーコメント
石川 大「最近はバンドがメジャーのレーベルと契約する理由が見つからない気がしていたんですが、このバンドを見て、その理由が見つかりました」
宇野維正「上手いとか下手とか好きとか嫌いとかの価値基準を超えて、kiilaさんの歌声がとにかく気持ちがいい。すっかり気持ち良くなってしまいました」

さしすせそズ

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 最後に登場したのは関西出身、今回のイベントのために初めて東京に来たという「キャッチー&センチメンタル」が売りの4人組バンド、さしすせそズ。ブー・ラドリーズの「ウェイク・アップ・ブー」にのってメンバーが一人ずつステージ上に元気に現れた瞬間から、「このバンドはライブを主戦場とするバンドなんだな」ということがビンビンに伝わってくる。音楽性の基本はメロウなフォークロック。そこに、ボーカルさしすせそ松下の人間味溢れた歌声と、彼らが生活している京阪沿線の生活臭のある歌詞が加わって、これまでありそうでなかったバンドの個性となっている。MCではちょっと空回りしている感もあったが、それも含めて「愛すべきバンド」としての魅力を早くも放っていた。

■ゲストウォッチャーコメント
横田 衛「音楽的には大好きなタイプのバンドなんですけど、アレンジ面でまだまだ詰められるところがあると思った。4人で最大限のことをやってるようには聴こえない」
原田公一「ブルースっぽいところもあるんだけど、それが表面的で、あまりブルースが感じられなかった。衝動で突っ走るのもいいけど、バンドを長くやることを考えたら、昔の音楽をたくさん聴いて勉強していくことも大切だと思うのでがんばって下さい」

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