ライムベリー、8ヶ月ぶり復活ライブ開催 YUKA脱退もパーティーは続く

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『IDOL NEWSING vol.1』発売記念イベントは、渋谷のクラブ街を代表する箱のひとつであるWOMBにて行われた。

 ライムベリーについて考える時、いつも「遊園地」という言葉が頭に浮かぶ。

 桑島のプロデュースによって作り上げた音楽の遊園地は実に楽しく、一度入り込んだら一気に時間がすぎてしまう。おそらく、ライムベリーの女の子たちもまた、観客と同じ遊園地に遊びに来たお客さんで、楽しくはしゃぐ姿を見守ったり、いっしょに遊んでいるかのような距離感がとても好きだ。女の子が楽しそうにしている姿が一番の娯楽なのだ。

 このような、ステージの女の子をただ見上げるのではなく、同じ目線でライブに参加する感覚はファン・カルチャーが独自の発展を遂げた地下アイドルならではのものだろう。 

 それは、4月29日に、アイドルDVDマガジン『IDOL NEWSING vol.1』の販売を記念して行われた渋谷WOMBでのクラブイベントを見た時に強く感じた。

 出演したのはライムベリー、せのしすたぁ、いずこねこ。この三組は最近、メンバーの脱退や再編成がおこなわれたアイドルだったのだが、ライブで感じたのは、そういった「痛みの物語」よりも、観客とアイドルが同じ地平に立ってパーティーを楽しもうとする姿だった。実際、せのしすたぁはステージから降りて、フロアの中央に来て、なぞのMIXを繰り広げて盛り上げた。てっきり良質のポップスを歌うグループと思ったら、アイドル界のゴールデンボンバーだったとは……。

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熱いパフォーマンスに会場が湧く。

 他にも、ライムベリーの「まず太鼓」でのサークルモッシュや、アンコールで歌われたいずこねこの「BluE」で、ステージのアイドルが全員でヘッドバンキングをする場面など、観客とアイドルの境界が曖昧になりいっしょにライブを作り上げる瞬間が、とても気持ちがいい。ちなみにこのライブが復活後のライムベリーのベストアクト。天井が高く音響が素晴らしかったこともあり、無心で楽しめた。

 3組のライブを見ていると、この数年でアイドルという器は何かをするときの方法論として完全に定着したんだなぁと改めて思う。あとは、その器を使って何を表現するかの違いだけなのかもしれない。

 YUKAの脱退が、ライムベリーにどのような影響を与えるのかはまだわからないが、今後は、その変化も含めて見守ろうと思う。パーティーはまだまだ続く。
(取材・文=成馬零一)

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左からHIME、HIKARU、MIRI。

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