モー娘。道重さゆみ卒業がグループに与える影響は? メンバーの心境や楽曲面の変化を読む

 また、道重が卒業することにより、メンバーの心境にも少なからぬ影響を与えるのではないかと、同氏は指摘する。

「2007年に吉澤ひとみが卒業した時、ガキさん(新垣)が『吉澤さんが卒業しちゃうと私の中でのモーニング娘。がいなくなっちゃうんですよ』という名言を残しているんです。これは自分がファンとして知っていた頃のモーニング娘。のメンバーが居なくなったという意味なのですが、この『自分の中のモーニング娘。』像は、メンバーそれぞれにあると思うんですよね。今回の道重卒業により、2007年~2010年の“プラチナ期”と呼ばれていた時期のメンバー9人が全員いなくなってしまいます。9期以降のメンバーにとっては、プラチナ期という括りで意識しているかどうかはわかりませんが、やはり道重は直近の先輩としてとても大きな存在だったのは間違いないでしょう。その道重を失った喪失感にメンバー各自がどう対処していくか、ここが今後の娘。の物語を見守っていく際の大きなポイントだと思っています」

 さらに、道重卒業のこのタイミングは、楽曲面の方向性を変化させるきっかけになるかもしれないという。

「ここ数年で娘。が復調してきた要因のひとつでもあるEDM調の楽曲や、フォーメーションダンスなどは、他のアイドルにない武器として今も注目を浴び続けており、最近ではシングル5作連続1位という快挙も成し遂げています。ただ、古くから彼女たちを見てきているファンからは、同じテイストの楽曲が続くことに対する賛否両論もあります。彼女たちが“黄金期”と言われた1999年~2001年期の楽曲は、シングル1枚ごとにまったく異なったアプローチをしてきたからです。そう考えると、大きな変化となる今のタイミングは、このままEDM路線を続けていくのか、それとも様々な楽曲を展開していく“黄金期路線”にシフトするのか、その分かれ道となるのかもしれません」

 絶対的リーダーの卒業により、今後の動向が注目されるモーニング娘。'14。現在行われている12期のオーディションや、次期リーダーによっては、その形が大きく変わる可能性もありそうだ。
(文=編集部)

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