ネットカルチャーのニューアイコン 緑川百々子はアイドルのボーダレス化を象徴する

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緑川百々子、Tumblrより。

 水中撮影が話題となった、さよならポニーテールの「ヘイ!! にゃん」のミュージックビデオに出演したり、女の子が色々なシチュエーションでウインクしている写真集『ウインクキラー』で表紙モデルをつとめたりと、"インターネット発"のモデルとして注目を集めている緑川百々子。アイドルの他ジャンルへの進出が目立ち、素人のネットアイドルと芸能プロに所属するアイドルとの境界がなくなっている昨今において、事務所無所属で活動する緑川は、そんな「アイドルのボーダレス化」を、ある意味で象徴している存在なのかもしれない。

※この取材はアイドルDVDマガジン『IDOL NEWSING vol.1』との合同で行われました。
取材時の様子はこちら。

緑川:元々はmixiで日記を書いていたのが始まりです。プライベイトな友達だけ見ていたものが、ブログになりTwitterになりで、だんだん外にも広がって行って。2011年にはデジタル写真集を自主制作で出しました。当時はまだ自撮りする素人の女の子ってあまりいなかったんですけど。でもここ数年ですごく増えて来て、そういうネットアイドル的なものが当たり前な時代になって来たのが、面白いなって思います。

 冒頭のさよポニのMVの他、ふぇのたすとのコラボでオリジナル曲「ふらふらティーンエイジャー」にボーカルで参加したり、MiiiのCDジャケットに起用されたりと、ネットと強い結びつきを持つアーティストとの仕事が多い。

さよならポニーテール『ヘイ!! にゃん』

緑川:さよポニは、ディレクターさんがPVに出る女の子をTwitterで探していたのがきっかけで決まりました。水中撮影は、私は泳げないし、プール自体も何年ぶりかに入ったので、きつかったですね。素潜りで息を止めて、体に重りをつけて沈んで撮りました。でも、新しいことができて楽しかったです。ふぇのたすとのコラボは、元々メンバーのヤマモトショウさんとふぇのたすをやる前からTwiterで相互フォローをしていて。ヤマモトさんが、私をイメージして作ってくれたんです。「夢で逢える」とか「ティーンエイジャー」っていうワードが入っていて、ボーカルのミコさんと2人で歌ってます。Miiiのジャケットモデルは友達伝いに頂いた仕事でした。Miiiさんの作業部屋でCDを散らかして撮影して。ナンバーガールとか銀杏BOYZとか、私の好きなCDがたくさんあって面白かったです。

 緑川は自らを「ナゴムギャル」と称しているほど、大のナゴム好き。中学生の頃に大槻ケンヂのエッセイ「グミ・チョコレート・パイン」を読んだことで筋肉少女帯を聴くようになり、そこからたまや有頂天など、ナゴムのアーティストを好きなったという。昨年12月には「ナゴムレコード30周年ライブ『ケラリーノ・サンドロヴィッチ・ミューヂッ ク・アワー』」にて、空手バカボン・ゴージャスにコーラスで参加した。

緑川:ナゴム復活のニュースが流れた時にテンションが上がってしまって、「ナゴムレコードと何か仕事がしたい」とツイートしたんです。それをナゴムの創始者のケラさんが見つけて、声を掛けてくれて。当日はものすごく緊張して、かなり早くに現場入りしてしまって。どうしようと思って座ってたら、ケラさんが来て話し掛けてくれて。生のケラさんを初めて見たので、ほんとにびっくりして。何を話したのか覚えてないです…。元から何も話せないと思ってたので、ファンレターを書いて渡しました。その後は空手バカボンさんの楽屋にずっといたんですけど、隣にオーケンさんもケラさんもいらっしゃるしで…。精神を安定させようとして、ひたすらTwitterをしてました。タイムラインをさーっと速読して。私、いつもずっとTwitterをやってる人なので、平常時と同じことをやってると心が落ち着くんです(笑)。ライブは緊張で細かいことは覚えてないんですけど、ナゴムギャルがいっぱいでした。年季の入った人も、若い人も。

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