乃木坂46、シングル1位獲得 ”48グループ”を超えるセールス躍進の背景とは?

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 こうして見ていくと、少なくとも昨年秋から今年春にかけての勢いは、乃木坂46の「一人勝ち」と言っていい状況と言っていいだろう。2012年、AKB48の「公式ライバル」として活動をスタートさせた乃木坂46。その知名度と人気も、いよいよ本家を脅かすものになってきたようだ。

 では、その理由はどこにあるのだろうか。セールスには様々な要因が絡み合っているので一概には言えないし、最も大きな要因であるメンバーの人気や知名度については、筆者には正直詳しく分析できるだけの知識はない。ただ、一つ言えるのは乃木坂46のシングル曲のサウンドが他のグループの傾向とは一線を画するものになっていることだ。

 乃木坂46のシングル曲は、昭和の歌謡曲にも通じる正統派アイドルポップスの曲調がベースになっている。ピアノやストリングスをふんだんに用いた爽やかなサウンド、マイナー調の切ないメロディ。「気づいたら片思い」では、大サビの転調も聴き所になっている。アップテンポなライヴ向けの楽曲が多い他グループとは差別化を果たし、清楚なイメージを打ち出すことに成功している。

 アイドル論者としても知られるBase Ball Bearの小出祐介(Vo/G)が雑誌連載において2年連続で「年間アイドル楽曲ベスト」に選ぶなど(2012年「制服のマネキン」、2013年「君の名は希望」)、楽曲派のアイドルファンからも高い評価を集める乃木坂46。その楽曲が持つポップ性が、躍進の由来になっているのかもしれない。

■柴 那典
1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば:」Twitter

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