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KREVA、環ROY、泉まくら……ラッパーたちの作詞術に迫る『ラップのことば2』を読む

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猪又孝
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 日本語ラップの名手15人のインタビュー集『ラップのことば2』が4月11日に発売された。

 『ラップのことば』は、日本語ラップの黎明期から活躍するベテラン勢から気鋭の若手まで、幅広い世代・スタイルのラッパーに「日本語ラップの書き方」を尋ねた、これまでにない日本語ラップ読本。シリーズ1冊目にはいとうせいこう、宇多丸、SEEDA、Zeebra、BOSEなどが参加して話題となり、ベストセラーとなった。

 2冊目となる今作には、AKLO、泉まくら、VERBAL、OMSB(SIMI LAB)、GAKU-MC、KREVA、KEN THE 390、SALU、SHINGO★西成、SKY-HI、環ROY、daoko、NORIKIYO、ポチョムキン(餓鬼レンジャー)、MACCHO(OZROSAURUS)が参加。メジャーシーンで活躍するラッパーはもちろんのこと、クラブなどの現場を中心に活躍するラッパーや、女性ラッパーにもスポットを当てている。

 編者である猪又孝氏は、本書の読みどころや狙いについて、次のように語った。

「これは1作目から踏襲しているテーマなのですが、ラップというのは特に言葉が大事な音楽なので、その作詞術に迫った本にしたいという思いがありました。インタビューの際は、彼らが普段、日本語をどのように解釈しているかとか、どんな風に言葉を選定しているかとか、韻をどの程度重要視しているかとか、そういうことが読者に伝わるように意識しています。キャリアはもちろんのこと、年齢や性別によっても作詞に対する考え方や方法が異なりますし、ラッパーが如何に言葉に敏感かがわかると思います。また、作詞術にフォーカスしているため、前作はラッパー以外のミュージシャンにも広く読まれたようです。言葉や文章と向き合っているクリエイターにとって、ジャンルに関係なく面白い読み物になっていると嬉しいですね」

 たとえばKREVAは「ひたすら韻と歌詞を書き出していって。で、空いたスペースに使えると思った言葉を書いて。その韻を使った言葉が浮かんだらまた違うスペースに書いて」と、具体的にどのように韻を練るのかを明かしている。一方、環ROYは「そもそも日本語って削ぎ落としていくことが洗練に繋がる」と、日本語そのものの特性にまで言及しており、同書が「ラップの教科書」以上の読み物に仕上がっていることを伺わせる。

 また、本書ではインタビュイーの選定にも、ラップの面白さを伝える工夫があるという。

「ここ1~2年くらい泉まくらさんやdaokoさんといった女性ラッパーの活躍が目立っているので、その潮流をちゃんと取り上げようという意識はありました。また、SHINGO★西成さんやMACCHOさん、KEN THE 390さんや環ROYさんのように、特に現場で活躍している人もフォローしています。一方でGAKU-MCさんやKREVAさんといったキャリアの長いラッパーにも話を訊きました。オリコン1位を獲得したことのあるラッパーから次世代を担うであろう若手までを並列にすることによって、ラップの多様性やその幅広さを伝えられればと思います」

 ありのままの女子の日常を切り取ったリリックで注目を集める泉まくらが「“何について書きたい”っていうより“場面を書きたい”んだと思うんです」と、自身の創作スタンスを明かしたかと思えば、ハーフのラッパーAKLOが「かっこよさって人にインパクトを与えるものだから、それを実現すればダサいヤツらにとって驚異になると思って」と、ラップ表現が自身にとってのレベル(反抗)であることを表明する。そこには確かに、ラップミュージックの多様性が現れているといえそうだ。

 さらに「ラッパー以外のミュージシャンの名前もたくさん出てくる」ことも、本書の大きな魅力となっていると同氏は続ける。

     
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