モー娘。「黄金期の再来」目指すオーディション 道重が“原点回帰”を唱えるワケ

 モーニング娘。'14が3月15日、東京・オリンパスホール八王子にて行った『モーニング娘。'14コンサートツアー2014春~エヴォリューション~』にて、新メンバーを募集するオーディション「モーニング娘。'14<黄金(ゴールデン)>オーディション!」を開催することを発表し、話題となっている。昨夏、実施された『モーニング娘。12期メンバー「未来少女」オーディション』では合格者なしという結果だったため、今回選ばれるメンバーは12期生となる予定だ。

 プロデューサーのつんく♂は、自身のブログにて「歌が大好き!で、自分の未来を信じてる人!や、活躍している自分の姿!が想像出来る人は大歓迎!!まだまだちょっと自分に自信はないけど、それでも自分を試してみたい!と感じている人などなど、10歳~17歳までの独身女性なら国籍問わずどなたでも応募が出来ます。今こそJ-popを代表するサウンドで世界を相手に活躍してみませんか! 僕も腕が鳴ります!」と、オーディション参加者を募り、「黄金期の再来」を目指すことを表明している。

 2013年は3作品連続でオリコンシングルチャート1位を獲得するなどして、再ブレイクを果たしたモーニング娘。。アイドル界でも無二の存在感を放つ同グループが、ここにきて新メンバーを募集する背景にはどんな狙いがあるのか。 ハロプロの熱烈フォロワーであるアイドル書籍編集者の中野潤氏(BLOCKBUSTER)は、今回のオーディションのポイントを次のように解説する。

「最年長であり現リーダーの道重さゆみさん(6期)はオーディション発表時、『1年前のオーディションでは「可愛い子に入ってきてほしい」と言ってたんですね。でもね、よく考えてみたら、モーニング娘。ってオーディションに落ちてしまったけど、それでも頑張りたいという女のコたちの集まりだったじゃないですか。私は、そんなモーニング娘。を観て、「元気もらえるな」とか「応援したいな」と思ったんです。最近だと、初めからダンスが上手いメンバーもいますけど、モーニング娘。の根本の“一生懸命頑張れるコ”に来てほしいなと思います』とコメントしています。もともとモーニング娘。は、1997年に平家みちよさんが優勝した『シャ乱Q女性ロックボーカリストオーディション』の落選者を集めたグループであり、そんな彼女たちが次第に輝いていく過程こそが、2000年代前半の黄金期を築いてきました。

 しかし、最近のモーニング娘。では、アクターズスクール広島出身の鞘師里保さん(9期)や、ハロプロエッグ出身の譜久村聖さん(9期)や工藤遥さん(10期)、元楽天チアダンサーの石田亜佑美さん(10期)、ハロプロエッグの後継組織であるハロプロ研修生だった小田さくらさん(11期)など、すでにダンスや歌のトレーニングを積んだ“デキる子”を採用して、そういったメンバーたちを前面に推し出していく傾向がありました。おそらく、つんく♂氏が邁進してきたEDM路線のフォーメーションダンスをしっかりとこなすには、それも必要なことだったのでしょう。

 ところが、今回の道重さんの発言からは「黄金期を再来させるには原点回帰が必要ではないか」という意向が読み取れます。実際、モーニング娘。のファンとして知られるマツコ・デラックス氏は、生田衣梨奈さん(9期)、鈴木香音さん(9期)、佐藤優樹さん(10期)といった、パフォーマンスではあまり目立たないポジションにいるメンバーこそが面白いと言っていて、必ずしも“デキる”メンバーだけがモーニング娘。の魅力ではないことを示唆しています。道重さん自身もモーニング娘。に加入したばかりの2003年頃は、ほかのメンバーに比べてダンスも歌も劣りがちでしたが、今やグループの顔と言える存在になりました。今のモーニング娘。を黄金期に突入させるのに必要なのは、歌やダンスが素人でも、圧倒的な輝きを持ったダイヤの原石である、ということは、道重さんだけではなく、運営側も考えていることなのではないでしょうか」

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