『LOUD PARK 14』今年も2日間開催決定 メタルフェス安定人気の背景とは

20140320-loudpark.jpg
『LOUD PARK 14』公式ホームページ

 毎年秋に行われる日本最大にして唯一のヘヴィメタル・フェスティバル『LOUD PARK 14』が今年も開催されることが発表された。今年で9回目となる同フェス、今回も昨年に続き10月18日(土)と19日(日)の2日間開催で、会場となるさいたまスーパーアリーナには世界中のメタルバンドが集結する。他のラインナップに先立ち発表されたヘッドライナーはドリーム・シアターとマノウォーの二組。両バンドともLOUD PARK初出演となり、マノウォーにいたっては1993年以来21年ぶりの来日公演となる。

 LOUD PARKがはじめて開催されたのは2006年。それまでも日本ではフジロック・フェスティバル(1997年初開催)やROCK IN JAPAN FESTIVAL(2000年初開催)などいわゆる「4大フェス」に代表されるロック・フェスティバルが開催され人気を博していたが、ヘヴィメタルというジャンルを限定したフェスはLOUD PARKが初めてとなり、出演するミュージシャンの豪華な顔ぶれも相まって後発にも関わらず根強いファンを抱えるフェスへと成長した。ちなみに海外へ目を向けると古くは1980年から1996年まで続いた伝説のロック・メタルフェス「モンスターズ・オブ・ロック」(現在も「ダウンロード・フェスティバル」と名称を変え継続中)からはじまり、7万人の観客を動員するドイツの「ヴァッケン・オープン・エア」やフィンランドの「サウナ・オープン・エア」、ベルギーの「グラスポップ・メタル・ミーティング」など世界各国でヘヴィメタル・フェスティバルは開催されている。オジー・オズボーンと妻のシャロン・オズボーンが主催する「オズフェスト」は、昨年は日本でも初開催されたことも記憶に新しい。

 これまで開催されたLOUD PARKのラインナップをみると正統派のヘヴィメタルに加え、スラッシュメタルやメタルコア、デスメタル、メロディックスピードメタル、ゴシックメタルなど様々なメタルのサブジャンルを包摂した広義の「ヘヴィメタル」フェスティバルとなっているのが大きな特徴といえるだろう。また過去にヘッドライナーを務めたバンドはメガデス(2006年)、ヘヴン・アンド・ヘル(2007年)、モトリー・クルー(2008年)、ジューダス・プリースト(2009年)、オジー・オズボーン(2010年)、スレイヤー(2012年)、イングヴェイ・マルムスティーン(2013年)と大御所の起用が目立つ。一方でドラゴンフォースやトリヴィアムのような2000年以降にデビューし成功した実力派バンドやブリング・ミー・ザ・ホライズンのような10代の若者に絶大な人気を誇るバンドも健闘している。昨年にはBABYMETALのパフォーマンスも話題となった。

 昔から日本はヘヴィメタルのマーケットが大きく、それゆえに親日家のメタルミュージシャンは数多い。コアなファンによる一定のニーズが存在するため、他ジャンルと比較して音楽不況の影響を受けにくいという特徴もある。最近ではブラック・タイドやザ・レッド・ジャンプスーツ・アパラタスのような次世代を担う若手バンドの台頭も目立つメタルシーン。今年はどのような爆音がさいたまスーパーアリーナに鳴り響くのか、ラインナップの発表を楽しみに待とう。
(文=北濱信哉)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる