the GazettE、アンティック-珈琲店-……海外で人気のあるV系バンドまとめ

 「日本のヴィジュアル系が海外で人気」という報道が国内でなされるようになり10年近く経つ。英語では「Visualkei」中国語では「視覚系(視覺系)」として認知されており、YouTubeやFacebook、Instagramでも多言語でのコメントが見られるのは当たり前になっている。視覚要素の大きいヴィジュアル系は、YouTubeやTumblrのような動画や画像を共有するWEBサービスの普及により、多くの当事者たちが予想をしなかった形でグローバルな展開をみせている。国内音楽メディアでは「見た目だけ」と揶揄の対象でもあった「衣装やメイクで音楽の世界観を表現する手法」は、言語の壁を越えて世界中にファンを作るには有効な方法であったというのは興味深い話である。

 さて、ひとくちに「海外で人気」といっても人気アニメの主題歌から人気に火がついたケース、ゴスやメタルなどニッチだが世界中にコアなファンがいる層から圧倒的な支持を受けているバンドまで、その需要スタイルはさまざまである。単独ライブやツアーだけでなく、アニメ系のイベントに招待されるケースも国を問わず多く「招待されて海外でライブを行ったことがある」というバンドなら数えきれないほど存在し、近年では若手バンドもアクセスしやすい香港や台湾、北京などのアジア圏を精力的に回っており、台湾ではヴィジュアル系専門誌も定期的に発行されている。

 今回はその中でもとくに海外ファンから人気の高いヴィジュアル系バンドを紹介する。

the GazettE

 02年結成、06年に現在の表記に。オリコンシングルチャート上位常連で、国内でも圧倒的な人気を誇る。NHK WORLDの海外向け音楽番組「J-MELO」の視聴者の投票で選ばれる「J-MELOアワード」で10年は1位、11年は2位を獲得。公式Facebookページについている「いいね!」は2月11日現在の段階で135,027。2013年秋に行った実質6年ぶりとなる世界7カ国9公演「the GazettE WORLD TOUR13」は約2万人を動員するなど、海外人気もトップクラス。

「the GazettE WORLD TOUR13 DOCUMENTARY」

アンティック-珈琲店-

 03年結成。07年に現在の編成に。「原宿ダンスロック」と呼ばれるノリの良い楽曲と、カラフルで2.5次元的なルックスから国外からもライブのオファーが相次ぎ、08年には北欧~ヨーロッパ~南米~アメリカをまわる文字通りの世界一周ワンマンツアーを行った。人気絶頂の10年の武道館公演をもって活動休止するも12年より活動再開。活動再開後も積極的に海外公演を行っており、今年2月21日のドイツ公演から始まる世界ツアーが控えている。

アンティック-珈琲店-『アメージングブルー』

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる