関ジャニ∞、最新SGチャートで安定の1位 バラエティ進出でファン層拡大に成功

 また4位のBerryz工房は近年のハロプロが押し進めているEDM路線もマメな握手会も複数種CD販売も行っているが、なかなか売り上げが伸びていない。ハロプロ内ではこのやり方で1位と10万台の売り上げを確保できているのは結局モーニング娘。だけなのだ。℃-uteは5万枚を超えており伸びしろを感じさせるものの、しかしいずれにしてもモーニング娘。や℃-uteも含めてハロプロは5週程度でチャート200位圏外へと消えていく傾向にある。これは今後ハロプロの存在感をさらに増し、かつロングヒットを作り出すには、大きな課題となるだろう。

 同じ手法をやっているにもかかわらずモーニング娘。が売れているのには、単純な露出の多さもあるだろうがおそらく今のグループに「名門復活」のようなわかりやすい物語があるせいもあるのではないか。これはダンスや歌唱のアクティブさやフレッシュさを売りにできている℃-uteも同じだ。だとすればBerryz工房にもモーニング娘。や℃-uteのようなわかりやすい物語を与えてやればいいのかもしれないが、1位の関ジャニ∞などはそうした要素がなくとも売ることができている。バラエティで露出させてキャラを浸透させるにしても女性アイドルの場合はなかなか男性アイドルと同じようなポジションでトークをすることができない(端的に言って一般的なバラエティ番組でコーナーMCすら任されることは少ない)ため、別の戦略が必要になるはずだ。これは女性アイドル全体の課題でもある。

 そして最後に、5位のU-KISS。K-POPは今や男性系なら何とか売れるという状況で、このグループもやはりそんな印象。毎回シングルを出すと10位以内に一瞬入るという売れ方は特にコアなファンを持つV系などに近いだろうか。レコード会社がこの売り上げを伸ばしていきたいか、それともこのまま維持を図るのか、ちょっとよくわからない状態のまま、この界隈は安定してきたような気もする。

■さやわか
ライター、物語評論家。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。『朝日新聞』『ゲームラボ』などで連載中。単著に『僕たちのゲーム史』『AKB商法とは何だったのか』がある。Twitter

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