羽生結弦選手もG・ムーア曲採用 フィギュア界で人気の「クラシック以外の曲」は?

 日本勢では高橋大輔がフリープログラムで、「Yesterday」から「Come Together」「In My Life」「The Long And Winding Road」と、メドレー形式でビートルズの名曲を使用している。(最近話題の佐村河内守の曲は、ショートプログラムで使用)

 過去の例としては、カナダ代表のジョアニー・ロシェットが、2006-2007シーズンでジミ・ヘンドリックスの「Little Wing」を使用。フランス代表のブライアン・ジュベールは2002-2004にピンク・フロイドの「Time」と2006-2008にはメタリカの「Enter Sandman」〜「Nothing Else Matters」〜「Creeping Death」〜「The Unforgiven」というヘビーメタル、プログレッシブ・ロックの名曲を使用していた。

 このように、ここ数年でクラシック以外の曲が使われることが少なくなく、その中でも傾向として、往年のロックナンバーが取り入れられるようになってきている。特にハードロックやヘビーメタルなど、激しめのロックナンバーを弦楽調にアレンジしたものが多くなってきているように見受けられる。

 また、ここ数年の傾向として、比較的最近のポップミュージックが使用されることも増えている。アメリカ代表のジェレミー・アボットは、ソチ五輪でのフリープログラムに、ミューズの2009年リリース作『The Resistance』に収録されている「Exogenesis: Symphony Part 3 (Redemption) 」を使用。その他はエキシビジョンではあるが、カナダ代表のパトリック・チャンは、2012-2013にコールドプレイの「Til Kingdom Come」と、2009-2010に同じく彼らの「Viva la Vida」を使用しているし、スペイン代表のハビエル・フェルナンデス・ロペスは、2012-2013のシーズンにブルーノ・マーズの「The Lazy Song」を、チェコ代表のミハル・ブジェジナは2013-2014のシーズンに、ジャスティン・ティンバーレイク ft. ジェイ・Zの「Suit & Tie」を使用している。

 今後はフィギュアスケートが、ロックやジャズ、ポップスなどの名曲を、より多くの人に伝える一つのきっかけとなるのかもしれない。
(文=中村拓海)

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