>  >  > Salyuのボーカル、独創性はどこに由来?

音楽評論家・小野島大が「類まれな歌声」を語る  

2年ぶりにシングルを出すSalyu 彼女のボーカルの独創性はどこに由来するのか?

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小野島大
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2年ぶりにシングルをリリースするSalyu

 2014年6月にソロデビュー10周年を迎えるSalyuが、2月26日に2年ぶりの両A面シングル『アイニユケル/ライン』をリリースする。また、2月28日には東京・中野サンプラザホールでのワンマンライブを行い、5月30日からは『a brand new concert issue "m i n i m a " - ミニマ - Salyu × 小林武史 vol.2』と題したツアーで全国6都市を巡ることも決まった。

  Salyuは2000年に「Lily Chou-Chou」として活動を開始し、2004年にソロデビュー。2011年にはソロプロジェクト「salyu×salyu」をスタートさせた。

 今夏、『攻殻機動隊ARISE』のエンディングテーマになった「じぶんがいない」を発表したことも記憶に新しいが、Salyu名義でのリリースは2012年2月のアルバム『photogenic』以来2年ぶりとなる。「ライン」は公開中の映画『ゆるせない、逢いたい』(主演・吉倉あおい、柳楽優弥)の主題歌に起用、また今年の春に開催したツアー『Salyu miscellany vol.1』でも披露されたバラードで、音源化を待ち望んでいたファンも多いだろう。「アイニユケル」は、2014年3月1日に公開となる松山ケンイチ主演の映画『家路』の主題歌として書き下ろされたもの。映画は震災を乗り越えて生きる家族の姿を描く作品で、楽曲はその物語を支える温かな仕上がりになっているようだ。
 
 小林武史が“10年に1人の逸材”と評する特徴的な歌声と歌唱力を持つSalyu。また、BEAT CRUSADERSのギター・ボーカルのカトウタロウが、その存在感について「日本のビョーク」と表現している。独創性のあるボーカリストとして愛されてきたSalyuだが、最大の特徴は何なのか。音楽評論家の小野島大氏に聞いた。

「彼女は、例えばシンガーソングライターのような“自分の感情を歌に乗せる”という意味での自己表現には関心がなく、あくまでも楽曲の求めるものを歌唱として打ち出すことを第一に考えている。声を楽器として捉え、楽曲の求めるものを技術をもって表現していくことがプロの歌手としての役割である、という姿勢なんです。『本当の私を知って』的な自己主張は薄く、ただヴォーカリストとして、目の前にある楽曲の世界観をいかに表現するか、ということを最優先で考える。それも歌詞の世界に感情移入するとかいう次元ではなく、純粋に技術と方法論の問題として探っていく。感情をどう込めるかというよりは、結果としてどういう感情に見えるかが大事なのだ、という姿勢ですね。演劇でいえば、できあがった脚本をどう演じるか、そういった感覚に近い。なので自らが作詞作曲を行うことよりも、目の前にある曲を歌うことが使命だと考えているところがあります。その実現のための類まれな歌唱力があるのは当然のことながら、そこが最もシンガーとしてユニークなところでしょう」

     
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