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石井恵梨子のチャート一刀両断!

少女時代とRADWIMPSが競り合うALチャート 「歌唱力自慢」は評価されない時代か

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チャート分析
石井恵梨子
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2013年12月09日~2013年12月15日のCDアルバム週間ランキング

1位:LOVE&PEACE(少女時代)
2位:×と○と罪と(RADWIMPS)
3位:A WILL(LUNA SEA)
4位:ベスト・ソングス(シェネル)
5位:WORLD WIDE DEMPA(でんぱ組.inc)
6位:ミッドナイト・メモリーズ(ワン・ダイレクション)
7位:12月の奇跡:ウィンター・スペシャル・アルバム(韓国語ヴァージョン)(EXO)
8位:PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary“ALL TIME SINGS”(ポルノグラフィティ)
9位:L album(KinKi Kids)
10位:NEO FANTASIA(茅原実里)

 11日に発売された初登場作品が4作入った5位圏内が面白い。アイドル、ロック、ロック、R&B、アイドル。ジャケもカラフル→黒→真っ黒→ドアップ→カラフルという順番になっていて、とにかく華やかに目立っているアイドルシーンと、影の存在として意地を見せるロックバンドの対比に納得。と同時に、シーンと関係なく我が道をゆき、いついかなるときも大声で愛を、映るなら常にドアップを、というソウルディーバのポジションを思う。

 MISIAや宇多田ヒカルが登場した1998年から2000年代初頭にかけては、シェネルと同様、あるいはそれ以上の歌唱力を誇ったディーバたちが雨後の筍のごとくにデビューしていたわけだが、彼女たちの今は……。とにかく歌が上手い、ソウルフル、本場R&Bのよう、というセールスポイントがほとんどチャートに反映されない時代になっていることを今さら思い知った。

 少女時代だって歌もダンスも上手いじゃないかと言われそうだが、ノイズどころか声質の個性まで消されたようなボーカル処理は、上手いか下手かという議論をしても仕方がないだろう。圧巻の脚線美、そしてキュートもセクシーもキャピキャピも揃ったバランスの良さが魅力。これだけ全方位完璧に整えられたグループだから、AKB商法における「誰々推し」=「俺が応援してやらなきゃダメなんだ」と情緒に訴えてくるものは少ないと思うのだが、売上は129255枚と見事。約13万人は「誰推し」ではなく、ただ「少女時代の完成度が好き」なのだろうか。素朴な疑問。

 売上は一気に落ちるが、5位のでんぱ組.incは完成度云々とは対極の位置にあるアイドルグループ。どこか頼りないルックスと驚くほどコアなオタクぶりは、「俺が推さなきゃ誰が推す!」と男性を奮い立たせるに十分だと思われるが、それでも発売日に購入するのは1万4千人である。アイドル全盛期といっても、マスな完成度を求めるファンと、コアでマニアックな魅力を追いかけるファンには、まったく相容れない世界があるのだろう。

     
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