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アイドルの自己紹介はなぜ長い? 「キャラのカスタマイズ」の視点で読み解く

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成馬零一
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『キャラクタードラマの誕生』のカバー写真に起用された「ミスiD2014グランプリ」の蒼波純。来春発売予定の、アイドル専門ライター・岡島紳士によるアイドルDVDマガジン「IDOL NEWSING vol.1」には、今回の表紙撮影のメイキングのほか、現代音楽を主軸に活動するいずこねこの映像も収録される。

 AKB48ももいろクローバーZといったアイドルグループのライブでは、キャッチフレーズとともに長い自己紹介をして、それに対しファンが合いの手をいれるという文化が根付いている。そもそもなぜ彼女たちはそういったパフォーマンスを必要としたのだろうか。

 12月25日に『キャラクタードラマの誕生』(河出書房新社)を上梓するドラマ評論家の成馬零一氏は、アイドルたちのパフォーマンスを「キャラクタードラマ」という概念を軸に読み解いている。

 成馬氏によると「キャラクタードラマ」とは、90年代後半あたりから増加した、漫画やテレビアニメのエッセンスを取り入れたテレビドラマのこと。岡田惠和が脚本を手がけた作品では、『南くんの恋人』や『ちゅらさん』、近年では『泣くな、はらちゃん』などが挙げられ、それらの作品では、マンガやアニメのキャラクターのような振る舞いをする人間と、自分の身には大きな物語など訪れなるはずがないと思っているごく普通の人間の衝突を描くことによって物語が展開されていた。

 いっぽう、演出家の堤幸彦は、『金田一少年の事件簿』や『ケイゾク』、『TRICK』といった作品で、演出の面から漫画やアニメのエッセンスを取り込んでいった。低予算でスケジュールに余裕がないため、動画に枚数を割くことができなかった日本のアニメーションは、その制約を逆手にとって、演出と編集を駆使することで表現のレベルをあげていったのだが、堤幸彦は、時に役者を漫画やアニメのキャラクターのように記号的に扱い、極端にカット数を増やし、独自の編集を加えることで“堤色”というべき独特の世界を作り上げた。「キャラクタードラマ」は、漫画やアニメの文体をテレビドラマにどう持ち込むかを試行錯誤しながら発展し、その流れは宮藤官九郎が脚本を手がけ、2013年にブームとなった『あまちゃん』にも引き継がれている。

 テレビドラマが漫画やアニメの世界に近づいた時代と重なり、携帯電話やインターネットが発展、若者文化の在り方も変わった。成馬氏は「人間をキャラクターとして捉える風潮が急速に拡がった」として、その要因を特にSNSと結びつけている。TwitterやFacebookでは、たとえばお洒落な人間に思われたいのであれば、好きなファッション雑誌の名前を挙げたり、社交的な人間に思われたいのであれば、参加したパーティーの写真を挙げたりすることによって、ある意味では記号的に、自身のキャラクターをカスタマイズすることができる。それによって、多くの人が「自分がどんなキャラクターであるか」ということに対して自覚的になったというのだ。

     
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