>  >  > 亀田誠治が“裏声”の極意を語る

なぜ“裏声”はグッとくる? 亀田誠治と森山直太朗が語る「ファルセットの効果」

関連タグ
森山直太朗
クリスタルキング
岡村靖幸
小坂明子
Mr.Children
チューリップ
ファルセット
亀田音楽学校
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 音楽プロデューサーの亀田誠治がJ-POPのヒット曲を分析するテレビ番組『亀田音楽専門学校』(NHK Eテレ)の第10回が12月12日、午後11時25分から放送された。

 この番組は亀田が校長、小野文恵NHKアナウンサーが助手を務め、毎回様々なアーティストがゲスト出演する全12回の教養番組。今回のテーマは「胸熱のファルセット美学」ということで、ゲストにはシンガーソングライターの森山直太朗が出演した。「皆ファルセットを勘違いしている」という亀田。実はファルセットとはただの高い声ではなく、地声の下地になる声の成分のことで、地声はある高さの領域まで行くと出づらくなるというが、その時残った声がファルセット(裏声)なのだという。

 まず、森山の歌唱による実験。童謡「さっちゃん」を低いキー(地声のみ)と、高いキー(地声+ファルセット)で歌い分けてみる。すると、明らかに高いキー(地声+ファルセット)の方が、優しさや柔らかさが出てくると小野アナウンサーも驚く。これがファルセットの数ある効果の一つなのだという。どちらが良い悪いということではなく、その印象を変えることこそがファルセットの効果なのだと森山も語った

胸熱のファルセット美学その1:ハイトーンとファルセットとの違い

 ハイトーン(地声)には、圧倒的な馬力があるという亀田。クリスタルキングの「大都会」を例に出し、「圧倒的な馬力があるからこそ、胸に迫ってくるでしょう。これがもしファルセットを使ってしまったら、こんな雰囲気にはなっていなかったと思う」という亀田。実際に森山が「大都会」をファルセットで歌ってみたものの、くらくらするという森山。ファルセットは地声より、圧倒的に息を使う量、そして抜けてしまう量が多いのだ。それにより柔らかさや女性的な優しさが表現出来る訳だが、ハイトーンの体育会系の力強さも捨てがたいと亀田。両方に良さがあり、アーティストたちは使い分けているのだという。

森山直太朗が選ぶファルセットの名曲

 自身を「ファルセットフェチ」という森山。選んだ名曲は岡村靖幸の「イケナイコトカイ」(1988)。「やらしいですねえ~いいですねえ~」という森山は、この曲を「ものすごくファルセットを駆使して歌われている曲で、ものすごく色っぽい。男性が裏声を出してもかっこいい」と解説。つまり「男性がファルセットに逃げるってめったにないこと。『そんな意外な一面もあるんだ』って面を見せることが出来る効能がある」という。

 そしてもう一曲は小坂明子の「あなた」(1973)。「曲の持っている切なさや儚さが、小坂さんが最後の方に『あなた』というフレーズをファルセットで連呼することで、言葉を越えた感動になる」と森山は語る。「もう別の人が歌っても絶対に胸熱になる」と亀田も同意し、敢えて苦しいところに自分を追い込むことで曲の本質に忠実になり、歌い手が無心になることもまたファルセットの効果なのだとした。

     
  • 1
  •  

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版