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亀田誠治がEテレ『亀田音楽専門学校』で、J-POPのヒット術を明かす(第10回)

石川さゆりから西野カナまで……亀田誠治とJUJUがマイナーキーの魅力を探る

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 音楽プロデューサーの亀田誠治がJ-POPのヒット曲を分析するテレビ番組『亀田音楽専門学校』(NHK Eテレ)の第10回が12月5日、23時25分より放送された。

 同番組は、亀田が校長、小野文惠NHKアナウンサーが助手を務め、毎回さまざまなアーティストがゲスト出演する全12回の教養番組。ゲスト講師には前回に引き続きシンガーのJUJUが登場。亀田とともに「玉手箱のマイナー術」について講義した。

 亀田は「マイナー・短調というと、悲しいとか憂いとか、そういう風に教わったでしょう? でも本当はそうじゃないんだよ、とくにJ-POPではいろんな表情を表しているんだよ、ということを学んでいきたいと思います」と、マイナーキーの中には玉手箱のごとく多様な表情があることを示唆した。

 マイナーとは短調のことで、一般的には悲しく暗い印象がする音階のこと。日本では、マイナーのもの悲しいメロディーが数多くの演歌で使われてきた。しかし、J-POPではもの悲しさ以外のさまざまな感情も込められている。たとえば、サザンオールスターズの「エロティカ・セブン」、AKB48「フライングゲット」、子門真人の「およげ! たいやきくん」などもマイナーキーだ。

 長調の音階が「ドレミファソラシド」なのに対し、短調の音階はミラシが半音下がり「ドレミ(♭)ファソラ(♭)シ(♭)ド」となっている。中でも決定的な違いになっているのは「ミ」の音。この音が半音下がることによって、マイナーは暗い響きとなっている。

日本人の原点? マイナー音階

 亀田は、マイナーの曲は日本人の感性にピッタリだとして、70年代~80年代のシングルヒットチャート年間1位の曲を羅列。70年代には「黒猫のタンゴ」「わたしの城下町」「なみだの操」「UFO」など、80年代には「ダンシングオールナイト」「待つわ」「ジュリアに傷心」などを挙げ、年間ヒットチャートのおよそ7~8割がマイナーであることを示した。亀田は当時を振り返り「子供ながらに世の中を見渡すとマイナーな曲に人気があった」と語り、JUJUは「わたしは子供の頃、良くない大人たちの間で育ったので、明るい曲よりもマイナーな曲がしっくりきた。そしてそういう大人に憧れたので、はやくそういう世界にいきたいと思っていた。マイナーな曲の“淫靡な感じ”に惹かれていました」と、述懐した。

 小野が「演歌にマイナーが多かったから、日本人にしっくりくるんですね」と述べると、亀田は「それだけじゃ足りなくて、なにか日本人を気持ちよくさせるものがあるんじゃないかと」と応え、海外生活が長かったJUJUに、石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」の感想を訊いた。JUJUは同曲を歌い、「マイナーは、思いの丈を込められるんですよね」と、感想を述べ、亀田は「マイナーキーの持っている音の広がりのなさ。そこに思いを詰め込んでいくところに、メロディーとコードの化学反応が起きている気がする」として、「狭まった音程」の中に日本人らしい「我慢」や「辛抱」といった感情を閉じ込めやすいのでは、と推測した。

「悲しみ」だけじゃないマイナーの表現力

 中森明菜の「飾りじゃないのよ涙は」を聴いた感想を尋ねれられた小野は「つっぱり。涙は簡単には見せないわよ、という強がりや怒り」と応え、亀田は「悲しみが根底にあるかもしれないけど、それだけじゃないですよね」と、マイナーには悲しみ以外の感情を込められることを示した。中島みゆきの「わかれうた」を聴いたJUJUは「なげやり。自暴自棄です」と、その感想を語った。

 また亀田は「マイナーには、相性が良い言葉がある」として、メロディと歌詞には相関関係があるとした。例として「うらんでいます」という言葉に、メジャーとマイナー、それぞれメロディーを付けて実演。メジャーで歌うと「笑いながら怒っているひと」のようになり、不自然になることを証明した。

 さらに、前川陽子の「キューティーハニー」を聴き、同曲には「エロスが込められている」と亀田。JUJUは「人間のいろんな感情に対応できるのがマイナー。メジャーコードで発信できる言葉って、ポジティブなことが多いと思うんですけど、人間にはもっといろんな感情がある」と、マイナーの奥深さを改めて語った。

     
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