Coccoが感謝のメッセージ発信 過去の発言から「彼女が歌う理由」を探る

 「ひとりでは治らない、絶対に。でも一人で生きていくしかないから、一生治らないと思う。だから歌ってつないでいく」(2010年『bridge 64号』より)と歌うことの意味を自身で確認した彼女は、2011年東日本大震災直後のミュージックステーションに久しぶりの出演を果たした際、ブログ『COCCO CHAnNEL』に次のようなコメントを残している。

「何もできないくせに、本当はずっと歌いたくて仕方がなかった。1ミリでもいい、寄り添いたい。なんでもいい。何にもならないとしても、それでも、ずっと、歌いたかった。(中略)できることを与えてもらったことと、届くかもしれない希望、ありがとうございました。」

 「自分のため」に歌っていた彼女の歌が、完全に「自分と誰かのため」になったであろう、象徴的な言葉だ。

 公開されたメッセージ動画は、彼女のこんな言葉で締めくくられている。「自分もみんなも、どんなに北風が強くても、ちゃんと立っていられるように。そうしたらね、また、歌いましょうね」彼女の歌が未来へと続いていることを、はにかみながら伝えたCocco。「じゃあまた、とても近いうちに」と約束をする表情からは、彼女の力強い音楽への姿勢が感じられた。
(文=岡野里衣子)

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