>  > ボーダーレス化が進む“バンドル”の今

山口真木のアイドル辛口批評

ZONEは金爆の先駆けだった!? バンドかアイドルか…ボーダーレス化する“バンドル”を追う

関連タグ
BABYMETAL
SCANDAL
Silent Siren
たんこぶちん
バンドじゃないもん!
PVまとめ
アイドル
バンドル
山口真木
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 今回のテーマはバンド・アイドル、略して「バンドル」です。

 「バンドル」の元祖はZONEだといわれています。アイドル・グループとして結成されたZONEは2001年のメジャーデビューに際して「楽器を演奏するふりをしながら踊る」という荒技を編み出しました。動画サイトで「大爆発No.1」という曲を披露している『ポップ・ジャム』(NHK/2001年7月)の映像を見ましたが、すごいです。立派なドラムセットが用意されているにもかかわらず、ドラマーは椅子に座ることなくスティックを持ってドラムスの周りをぴょんぴょん跳ねながら踊っていました。ゴールデンボンバーの先駆けです。しかし、ZONEのすごいところは、そのスタイルを変化させ、3枚目のシングル「secret base ~君がくれたもの~」以降は実際に楽器を演奏して大ヒットしたという点にあります。これらの経緯からZONEが「バンドとアイドルの融合」を果たした始祖とされています。

 最近では、モーニング娘。を脱退した田中れいながロック・バンド、LoVendoЯ(ラベンダー)を結成し、70年代フォークのカバー曲などを収録したミニ・アルバムで今年5月にデビューしました。T.M.Revolutionの西川貴教がその方向性を批判するなど楽曲のチョイスやアレンジに賛否両論あるようですが、トップ・アイドルのバンド転向ということで話題を呼びました。

 しかし、一般的に「バンド」は本格的に音楽に取り組む芸術性の高い集団と考えられ、「アイドル」はルックス重視で音楽性は二の次とされる風潮が根強く、ともすれば「バンドとアイドル」には敵対するイメージがあります。

 最近、そんな垣根をぶっ壊そうとする動きが、主にアイドル側に顕著です。

 代表的なのは、なんといってもBABYMETALでしょう。敏腕ミュージシャンを従えてへヴィメタルとアイドル・ポップスの折衷に成功している女の子3人組。多くのロック・フェスに参戦し、フロアでサークル・モッシュが起こるほどの熱狂ぶりで存在感を放っています。私もサマーソニックで彼女たちのステージを観ましたが、まったく予備知識がなく苦笑いしていた初見の観客たちがみるみるBABYMETALの世界に惹きこまれていく様子を目の当たりにしました。

BABYMETAL「 - メギツネ - MEGITSUNE」

 名古屋を本拠にしている、しず風&絆~KIZUNA~は、「Iロック」をスローガンにアイドルとロックの融合を図っています。ブルーハーツのカバーなどで歌い踊る彼女たちのライブもパンキッシュで、特にミニスカートのメンバーが観客の肩や腕の上を歩くクラウドウォークは衝撃的です。

しず風&絆~KIZUNA~「つくしん暴」

 キング・オブ・ノイズと賞される関西パンクの重鎮バンド、非常階段がアイドル・グループのBiSと合体したBiS階段も画期的です。アンダーグラウンドの帝王が教唆する過激で凶悪なパフォーマンスはどこかキッチュで諧謔的でありながら、旧態依然としたアイドルのイメージを破壊するにはじゅうぶんなインパクトを持っています。

BiS階段「好き好き大好き」

 メンバーにDJとギタリストを擁するカモフラージュのステージも、アイドル・グループのライブとしては良い意味で違和感を醸しており、バンドとアイドルの両方の魅力をブレントしようとする野心を感じさせます。ギタリストの高崎聖子はグラビアでも活躍している美少女で、特別な存在です。

 テレパシーというグループは振り付けに全編「ギターを弾くふり」を導入している「エア・ギター・アイドル」です。これも「楽器を演奏する女の子のアクションの可愛さ」を追求しているという点で大いに実験的です。

テレパシー「テレパシーキセキ」「SkyHigh」「Live! Live! Live!」

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版