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"驚異の16歳"が鳴らす、ドライで痛快なロックンロール! ザ・ストライプス来日公演レポート

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ザ・ストライプスのライヴ模様

 2011年に平均年齢16歳のメンバーで結成されたアイルランド出身のバンド、ザ・ストライプスが現在、日本ツアーを行っている。各地の公演チケットはほぼソールドアウトで、10月18日には『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)への2度目の出演も決まっているという。洋楽の若手バンドとしては久々に大きな盛り上がりを見せる、彼らの魅力とはいったい何なのか。音楽ライターの青木優氏が、10月9日の恵比寿リキッドルーム公演の模様と、バンドの横顔をレポートする。(編集部)

 ザ・ストライプスは、間違いなく、最新型のロックンロール・バンドだ。再び日本を襲来した4人の雄姿を目撃して、あらためてその思いを強くした。

 僕が見ることができたのは、今回の日本ツアー2日目の10月9日、恵比寿リキッドルーム。9月にリリースしたデビュー・アルバム『スナップショット』が全英で初登場5位を獲得した勢いに乗っての再来日公演である。

 ステージでの4人は1時間強、ひたすら演奏しっぱなしで、それに対するフロアはただただ熱狂が続く。リーダーにしてギタリストのジョシュ・マクローリーのMCも「トキオ、楽シンデル?」「今日は特別な日だよ。ジョン・レノンの誕生日なんだ!(この直後、ビートルズを演奏)」「みんな、ダンスしてくれる?」といった程度。あとはシャープなブルース・ロックやリズム&ブルースが次々にプレイされるばかりなのだ。彼らがシーンに現れた当初は、10代半ばの子たちがこんなに渋くてレトロなロックをやっている! という驚き方をされることが多かったが、幾多のライヴで鍛えてきた4人の演奏からは、むしろ経験をしっかりと積んだ実力の確かさのほうを感じる。彼らは全員が進学の道を捨て、ロックの世界に飛び込んだ。若くして、人生を音楽に捧げる決意をしたのだ。

 セットリストにはボ・ディドリーやニック・ロウのカバー、あるいはドクター・フィールグッドがレパートリーにした曲など、ロックンロールの先達者たちの作品が多い。もっとも、アルバムが完成した現在ではオリジナルの比率が増えたが、たとえば人気曲の「ミステリー・マン」や「ブルー・カラー・ジェーン」にしても、ロックンロールの伝統スタイルから逸脱する楽曲構造では決してない。

 では、何がこのバンドの独特さであり、新しさなのか? それはひとえにエイトビートのロックンロールのエクスタシーを抽出し、それを無心で放射していくような、まっさらな感覚にある。4人のパフォーマンスは、パワーよりもスピード、雰囲気よりも瞬発力に懸けている気配が強い。だからとにかく歯切れがいいし、テンポがいい。熱量もありながら、それ以上に痛快で爽快なのだ。

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