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さやわかの「プロデューサー列伝」 第5回:HIRO

EXILEの“成り上がり”を支える、リーダーHIROの物語プロデュース力

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 今年4月、EXILEのHIROは2013年いっぱいでパフォーマーとしての活動を終え、今後はプロデューサーとして同グループに関わっていくと発表した。彼はEXILEのリーダーであり、また所属会社の社長でもあるから、グループの方針どころか今や巨大になったEXILE関連組織のすべてを動かしてきたのだろう。だから、プロデューサーへの転身には不思議はない。つまり彼はもともとプロデューサー的に振る舞っていたのであり、今後は二足の草鞋であったパフォーマーをやめてプロデュース業に専念すると考えることは可能だ。しかし、何か変に引っかかるものも感じられる。なぜだろう。

 HIROについて調べると苦労話がいろいろ見つかる。とにかく苦労して、努力して、仲間と意志を確かめ合って、高め合って、だから今の成功がある、という話が豊富に採取できる。自伝的な本まで書いている。そこにあるのはだいたいにおいて音楽の話などではない。周辺で語られるのは彼の音楽よりも、まずは生き方についてなのだ。デビューに至るまでにはいろいろと苦難の連続があり、そもそもHIROが社長に就任したのも最後に残った仲間たちと身銭を切り合った果てのことであったという。だがそのストーリーの核にあるのは、日本で多くの若者が経験する種類のもので、内容的には塗装工が仲間と起業して小さな作業場を構え、社会的に居場所を得ていくというようなものと、さほど変わりはしない。成功体験の規模が違うだろうと思うかもしれないが、しかしならばHIROは、そしてEXILEのメンバーは、ごまんといる「そういう人びとにとっての島耕作」みたいな存在として、成り上がりのストーリーを生きていると言ってもいい。

     
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