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小野島大の「この洋楽を聴け!」 第4回:マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン

轟音ギターノイズと甘美なメロディの融合――マイブラはいかにして「伝説」となったか

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 今回は今年22年ぶりの新作を突如発表し、今年だけで3度目の来日が決まっているマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(通称マイブラ)を取り上げます。爆音で鳴らされる激しいノイズ・ギターと、甘美なメロディを融合した、いわゆる「シューゲイザー」の筆頭格です。

 マイブラは1984にアイルランドのダブリンで結成されていますが、当初はあまり特徴のないサイコビリー〜ガレージ・バンドでした。しかしバンドの名付け親だった初代ヴォーカリストが脱退し、ギタリストのケヴィン・シールズがボーカルとなって、ベリンダ・ブッチャーやデビー・グッキといったメンバーが相次いで加入して音楽性が変わり、1988年に発表されたこの曲でシーンに大きな衝撃を与えます。現在でもライブでは必ず演奏される代表曲。終盤のノイズ・パートを激しく拡大し、耳をつんざくような轟音で鳴らされる、通称「ホロコースト・タイム」は彼らのライブの最大のクライマックスであり、ある意味でマイブラそのものと言えます。

My Bloody Valentine - You Made Me Realise (1988)

『EP's1988-1991』(SMJ)収録

 そして1988年にリリースされた正式なファースト・アルバム『イズント・エニシング』で、彼らはもっとも有望なUKギター・バンドとして世界中にその名を轟かせることになります。

My Bloody Valentine - Feed Me With Your Kiss (1988)

『ISN'T ANYTHING』(エピックレコードジャパン)収録

 さらに90年になると、アシッド・ハウス/マンチェ・ブームのさなかに出されたダンス・フロア対応のこのシングルが大ヒット。

My Bloody Valentine - 'Soon' (ANDY WEATHERALL REMIX) (1990)

『EP's1988-1991』(SMJ)収録

そして翌91年に発表されたセカンド・アルバム『ラヴレス』で、幾重にも重ねられたギターのドローン・ノイズ、サンプリングやエフェクターを駆使したレイヤード・サウンドで、前作よりさらに甘美でディープで幻想的なサイケデリック・ロックを作り出し、現在に至るまでシューゲイザーの代表的な名盤として聴き継がれています。

My Bloody Valentine - To Here Knows When (1991)

『Loveless』(エピックレコードジャパン)収録

 しかし長期に及んだレコーディングで莫大な費用がかさみ、所属レコード会社のクリエイションは経営危機に。そしてバンドも次作へのプレッシャーがあったのか、その後22年もの間、不可解な沈黙を続けることになります。

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