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地方の夏フェスの2極化進む 成否を分けるのは「コンセプトの有無」

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 音楽業界が不況と言われる昨今において、数少ないドル箱と言われてきた夏フェス。今年もフジロック、ROCK IN JAPAN FESTIVAL、SUMMER SONICなどの大型イベントは、それぞれ10万人規模の集客を達成、大盛況で幕を閉じた。しかし、ブームによって数多くのフェスが乱立した昨今、赤字撤退を余儀なくされるイベントもある。特に、地方で開催される中規模のフェスは、成功例と失敗例に2極化している現状がある。

 広島県庄原市で2003年から開かれていた西日本最大級の野外ロックフェスSETSTOCKは今年休催。運営側は今年の休催の理由を「マンネリ化を防ぐため」と発表しており、一部の来場者に飽きられている現状を露呈した。また、大口スポンサーが固定できない、近年のチケット販売の低迷なども理由にあげており、運営の「夢番地」は今年、代替フェスとしてWILD BUNCH FESTを開催したが、動員は2日で3万6千人。SETSTOCKが約4万人動員していたのに比べて、規模は縮小した。

 また、大阪府泉大津市で開催されるOTODAMA音泉魂は、10周年を迎えるものの、開催者は公式ブログ「音泉魂風呂具」で「どうしてチケットが完売しないのか?」と嘆いている。

 一方、香川県で開催されるMONSTER baSHのように、年々動員数を伸ばしているフェスもある。昨年は同フェス最大の規模となり、来場者数は述べ40万人を超えた。地方フェスの成否をわけるものは、いったいどんな要素なのか。MONSTER baSHに参加した音楽ライターが解説する。

「MONSTER baSHは地方フェスの成功例として特筆すべき点がありました。まず、単純に有名アーティストを集めるだけではなく、フェス全体にストーリーがあるんです。たとえばある年、オープニングアクトで登場したアーティストが、翌年は別のステージでフェスの中盤を支えるアーティストになっていたりします。だから、今年はどうなるんだろう?って気になって、毎年行きたくなるんですね。

 また、地元出身のSuperflyをトリに持って来たりと、地方フェスならではのカラーもしっかりと出しています。ライジングサンなんかは顕著な成功例だと思うんですけど、地方で成功しているフェスは、そこに足を運ばなければ味わえない特色がしっかり出ています。逆に、ただ有名なアーティストを集めただけでは、成功は難しいのではないでしょうか? なぜなら、有名なアーティストを観たいだけなら、わざわざその地方に足を運ぶ必要はないからです。大切なのは、運営側がその地方の特色を理解し、ちゃんとコンセプトのあるフェスにすること。そうではないフェスは、どんどん淘汰されてきている印象を受けますね」

 大規模フェスの成功の影で、2極化が目立ってきた地方フェス。生き残りの鍵は、地方の特色を生かしつつ、フェスのコンセプトを明確化することにありそうだ。

(取材・文=マツタヒロノリ)

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