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石井恵梨子が「音楽界のコトバ」を考察  第2回:アイドルのグループ名

BABYMETAL、LinQ、9nine...アイドル界で「グループ名のロック化」が進んでいる

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石井恵梨子
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BABYMETAL『メギツネ』(トイズファクトリー)

 最近のバンド名がやたらと文学的で散文的だ、少しだけ文芸に通じていますというセンスを見せたいのだね、と前回のコラムで書いたが、ちょっと待て、それ以前から「水中、それは苦しい」という強烈なバンドがいたと思い直した次第。主語と動詞、さらには読点までついた素晴らしきバンド名!

 と同時に、かつて三文字の漢字が主流だった政党の世界で、昨年唐突に「国民の生活が第一」を名乗るパーティーがあったことを思い出した。選挙の際に「みんな」「立ち上がれ」と続けば、これも立派な作文なわけで、文章化するネーミングというのはバンドの世界だけの流行ではないのであった。

 そう、気づけばバンド名だけでは全然ない。たとえば代官山「晴れたら空に豆まいて」、青山「月見ル君思フ」、神戸の「太陽と虎」など、いまやライブハウスにも文章みたいなネーミングは増え続けている。「太陽と虎」は中島敦の小説にあると言われても納得してしまいそうだし、「晴れたら〜」はほとんど江國香織のエッセイだ。そのうち「やわらかなレタス」みたいなハコが出てきてもおかしくない気がしてきた。

 たとえば「晴れたら空に豆まいてで、それでも世界が続くならと、踊ってばかりの国。ドリンク\500」と言われたとき、はからずとも「ドリンク\500」が一番バンド名っぽく響くわけだが、英単語+数字というグループ名(例・SUM41、GO!GO!7188)も、昔ほどは見かけなくなった。

     
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