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“戦うAKBセンター”から“自由なアイドル女優”へ 前田敦子が輝きを取り戻したワケ

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 9月18日にサードシングル『タイムマシーンなんていらない』をリリースする前田敦子。前作『君は僕だ』から約1年半。その間にAKB48を卒業し、グループアイドルのセンターからアイドル女優へと進み出した。そして今、彼女はアイドル女優として歌の世界へと舞い戻ってきた。

 アイドル女優には70年代から“歌”が付き物である。80年代には、『あまちゃん』で再び注目を集めている薬師丸ひろ子や、後にスウェディッシュポップでボーカリストとして再評価を受ける原田知世など、代表的なアイドル女優たちが歌い手として印象深い作品を数多く残している。90年代には、あくまでも女優業をメインに据えたまま活動しながら、松たか子、内田有紀、ともさかりえなどが音楽面でも活躍。00年代に入ると、上戸彩(奇しくも彼女もアイドルグループ『Z-1』を経てアイドル女優を踏み出した一人である)を筆頭に、深田恭子、福田沙紀、黒川芽以などが良作を残した。現在もドラマの主役を張る、綾瀬はるかや北乃きい、新垣結衣らも歌手としてデビューしている。

 アイドル女優の作品は、映画やドラマであっても、音楽であっても“今だけの輝き”を閉じ込めることに大きな価値がある。一つの例として、綾瀬はるかを見てみよう。蔦谷好位置が楽曲を提供した名曲「飛行機雲」(2007年リリース)では、彼女らしい肩の力が抜けた柔らかい空気感と、当時『ホタルノヒカリ』で演じた“干物女”的な親しみ易さを、うまく楽曲中に封じ込めることに成功。綾瀬はるかが演じる“その時の綾瀬はるか”の作品として見事な完成度を示した。アイドル女優の楽曲においては、クリエイターが総力を尽くして“今のあるべき彼女の姿”を閉じ込めることで名作が生まれるのだ。

 しかしここ数年、昨今のグループアイドルブームもあり、アイドル女優たちの歌手活動の場がグループへと移行してきている。川島海荷の9nine、桜庭みなみのbump.y、吉本実憂のX21……。そこでは、群像の一人としてのアイドル女優の姿を捉えることはできるが、“今のあるべき彼女の姿”を見い出すことは残念ながら難しい。

     
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