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ベテランライターが語る、ヴィジュアル系入門(前編)

ブラジルやロシアにも...世界で増え続けるヴィジュアル系バンドの謎

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 20年以上の歴史を持ち、今や海外でも認知されてる文化である「ヴィジュアル系」。シーンを彩った名盤500枚の音源を通して音楽面から語ったのが『ヴィジュアル・ロック パーフェクト・ディスク・ガイド 500』(シンコーミュージック・エンタテイメント)だ。

 シーンの黎明期からライターとして活躍し、本書の監修も務めている大島暁美さんに話を伺った。

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『ヴィジュアル・ロック パーフェクト・ディスク・ガイド 500』表紙画像

『ヴィジュアル・ロック パーフェクト・ディスク・ガイド 500』を作ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

大島:昨年の夏に、私からではなく、シンコーミュージックの編集者の方から話をいただきました。私も「ヴィジュアル系」というものを真正面から語った本が存在しないということは常々感じていたので、「やりましょう」ということになりました。

 「ヴィジュアル系」という言葉が使われるようになったのは、1993年くらいと言われているんですけど、そもそも自然発生した言葉なのでいつから始まったとかはハッキリと言えないので、シーンの流れを作ったバンドや、一般的には「ヴィジュアル系」と呼ばれていないけど、シーンに影響を与えたバンドも含めて、500枚をとりあげてみました。

大島さんの考える「ヴィジュアル系」の音楽的な特徴とは?

大島:一言でいうと「展開が多い」でしょうか。最初ラップが入ってミクスチャーっぽいかと思ったら突然デスボイスになって、サビはいきなり美メロになる......みたいな。これはヴィジュアル系だけの特徴かもしれないよね。世界の音楽からみても珍しいのでは。

 特にDIR EN GREY(旧表記:Dir en grey)以降のバンドに顕著ですね。若いバンドから話を聞くと、「DIR EN GREYに衝撃を受けた」という人はとても多いです。

DIR EN GREY「朔-saku-」

国内外で高い人気を誇るDIR EN GREY。「朔-saku-」PVは2007年のMTVで「あなたが選ぶ06年ヘッドバンガーズ・ボールのPV」に選ばれた。日本人アーティストがMTVで賞をとるのは初めてのことで、当時話題を集めた。

制作中に苦労したことがあれば。

大島:まず、膨大なバンドや作品の中から500枚ピックアップすることに大変な労力が必要でしたね。一番古い作品は76年のVOWWOW(現:BOWWOW)だったかな。70年代から現代までの作品を扱っていますので。候補だけでもとんでもない数になっていました。

 それに、かつては「ヴィジュアル系」と呼ばれていたけれど今はまったく別物になっているバンドもいるので、そういった部分を調整するのも大変でしたね。

海外のヴィジュアル系バンドをたくさん紹介しているのも本書の特徴ですね。

大島:分かっているだけでも、世界中に200バンドくらいいるのかな。アジアや欧米はもちろんのこと、ブラジルやロシアにもヴィジュアル系に憧れてバンドをやっている人たちがいて、彼らの夢は「日本でライブをすること」なんです。

YOHIO「REVOLUTION」

「逆輸入ヴィジュアル系」の代表格、スウェーデン出身のYOHIO。

逆に海外に進出するバンドもこの10年くらいですごく増えましたね。

大島:ヴィジュアル系の海外進出は、02年にDuelJewelがアメリカのコンベンションに呼ばれたのが最初かな。それ以降どんどんイベントに呼ばれるようになって。
今年の『JAPAN EXPO』(フランスで開催されている日本文化の祭典)にはニンジャマンジャパンに同行しました。2日間公演したんですが、1日目よりも2日目のお客さんが倍以上に増えていて、現地のファンの熱気を感じました。

DuelJewel「It's just LOVE」

DuelJewelは97年に結成し、02年以降の海外公演も多数。喉の不調が原因で11年から活動休止をしていたボーカル隼人の復活ライブが今年日本青年館で行われた。

(後編「X JAPAN、Janne Da Arc...ヴィジュアル系大物の"秘めた青春"と、現シーンへの提言」に続く)

■藤谷千明
ライター。ブロガーあがりのバンギャル崩れ。執筆媒体は「ウレぴあ総研」「サイゾー」「SPA!」など。Twitter

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