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「聴き放題サービス」の最新事情

トム・ヨークのSpotify批判は妥当か? 世界中のミュージシャンが激論中

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大山貴弘
音楽ストリーミング
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 いわゆる「意識の高い学生」のようなツイートを、レディオヘッドのトム・ヨークが行うというTwitter bot「意識の高いトム・ヨークbot」が音楽ファンの間で人気となっている。そんな中、本家トム・ヨークも負けじと意識の高いツイートを連発し、音楽業界に波紋を広げている。

 事の発端は、レディオヘッドのプロデューサーとして有名で、トム・ヨークとAtoms For Peaceというバンドも組んでいるナイジェル・ゴッドリッチの7月15日付のツイートだ。ナイジェルは「これでは小さなレーベルや新人アーティストはまともな報酬が得られない」と音楽ストリーミングサービス「Spotify」のロイヤリティ設定を批判。「(Spotifyに対する)ちっぽけな、取るに足らない反乱だ」とレディオヘッドやAtoms For Peaceの音源を同サービスから引き上げると発表した。

 ナイジェルのこの発言をリツイートしたトム・ヨークも、「我々はミュージシャン仲間のために立ち上がるんだ」「君たちがSpotifyで見つけた新人アーティストには報酬が支払われていないかもしれない。そのくせ、株主には金が転がり込むんだ。簡単な話さ」とツイート。これら一連のやり取りを各Webメディアが報じたことから、レディオヘッド陣営のSpotify批判は、瞬く間に世界中の音楽ファンの知るところとなった。

 Spotifyに対する批判は、何もナイジェル・ゴッドリッチやトム・ヨークが先駆者というわけではない。サービス開始当初から、Spotifyの聴き放題モデルは幾度となく、ミュージシャンのやり玉に上がってきた。サービスの有料会員数が600万人を超えた今でも、ザ・ビートルズやAC/DC、レッド・ツェッペリンらは音源提供を拒み続けている。Spotifyは月額9.99ドル(アメリカの場合)を支払うだけで、ライブラリーにある2,000万もの楽曲がPCやスマホから聴き放題になるという音楽ファンには夢のようなサービスだが、楽曲を提供するミュージシャンにとってはそれほど旨味のあるビジネスではないようだ。ユーザーが1曲ストリーミング視聴した際にSpotifyがアーティストに支払う楽曲使用料は、著作権料と合わせて0.4ペンス(約0.6円)だと言われている。CDアルバム1枚を10~15ドルで販売しているミュージシャンにとって、同サービスの売上は雀の涙であり、こうしたロイヤリティでは小さなレーベルや新人アーティストの生計が成り立たないというのがトム・ヨークらのSpotify批判の根拠だ。

     
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