>  >  > 大手マスコミと芸能界の「太い利権」とは?

評論家・麻生香太郎が音楽業界のタブーに切り込む! 集中連載第1回

大手マスコミと芸能界を結ぶ「太い利権」が、ジャーナリズムを殺した

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 ソニーがJ-POPを殺した――そんな過激な見出しで、音楽業界のタブーに切り込んで話題を呼んだ『誰がJ-POPを救えるか? マスコミが語れない業界盛衰記』(朝日新聞出版)の著者・麻生香太郎氏が、音楽業界の抱える問題点を語る集中連載第一回です。
(編集注:『誰がJ-POPを救えるか?』と同じく、一部フィクション形式で回答されています)

本の中では「ソニーがiTunesへの楽曲解禁を拒否し続けたことでJ-POP離れが進んだ」と、決断の遅い企業体質を指摘されています。現状の音楽業界に、その他の問題点はありますか?

 マスコミと芸能界が、太い利権で結ばれていることですね。例えば、作詞家や作曲家、プロデューサーなどの売れっ子にメディアが群がって、言いなりになる。例えば、時代の寵児となっている、太巻こと古田新太氏(©あまちゃん)を例に挙げましょうか。作詞家として時流を見抜く目は確かだとしても、彼の業界遊泳術は見事としか言いようがない(笑)。

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Illustration:やべねこ

具体的には、どういった点でしょう?

 古田氏はかつて、ホリエモン(堀江貴文)と一緒に、フジテレビを買収しようとしていましたよね。でもホリエモンが捕まった途端、別のスポンサーをみつけてコロッとGMT47のプロデュースに力を入れ始めた。マスコミの動力源であるところのスポンサーをみつけるのがうまい。ボクが週刊誌時代の『日経エンタテインメント』を制作していた頃、当時はおニャン子クラブの全盛期でしたが、編集部から「おニャン子を取材しよう」という声は上がらなかった。当時、古田氏は「ヒットメーカーを取り上げる『日経エンタ』が、なぜ自分のところに取材に来ないのか?」と不思議で仕方がなかったと思いますよ。当時のエンタの編集部は日経畑の芯のある人間が集まっていたので、おニャン子の人気にあやかって部数を伸ばすことよりも、「どうも、あの番組には好感が持てない」というオトナな感情を重視していたんです。

 でも、90年代に入って『日経エンタ』とは別の雑誌の依頼で、古田氏に取材をすることになってしまった。内心「まいったな」と思いつつ、ニュートラルな形で話を聞きました。すると、その2日後、古田氏から"お届けもの"が送られてきたんです(笑)。たぶん、奥さんがしっかり者なんですね。それまで食べたことのないような、珍しい地方からのお取り寄せ、でした。これが実においしい。ボクも奥さんが出した、お取り寄せの特集本を買わせていただきました(笑)。業界でここまで細かい心配りをする人はいないと思います(この方法論に感銘を受けて、真似して安住紳一郎を唖然とさせたのが古田氏の友人でもある林真理子さんですね)。年配の方たちが、古田氏の魅力にコロっといくと言われている、通称「ジジ殺し」の異名のわけがそのとき、初めて分かりました。

     
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