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さやわかのチャート一刀両断!

EXILEの4月発売シングルがなぜかチャート急浮上! その驚くべきカラクリとは?

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 第一線の音楽ライター/評論家が、最新アルバム・シングルチャートを斬る!
 今回のレビュアーはさやわかさんです。

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2013年07月01日~ 07日のCDシングル週間ランキング

1位:ガールズルール(乃木坂46)
2位:EXILE PRIDE ~こんな世界を愛するため~(EXILE)
3位:AHEAD/REPLAY(VAMPS)
4位:新しい私になれ!/ヤッタルチャン(スマイレージ)
5位:大切なものは君以外に見当たらなくて/微熱リフレイン(flumpool)
6位:現状ディストラクション(SPYAIR)
7位:Dear Angie ~あなたは負けない/それぞれの夜(竹内まりや)
8位:Come On A My House(Hey!Say!JUMP)
9位:一千一秒(EXILE TAKAHIRO)
10位:君のハートに解き放つ!(Doll☆Elements)

 今週のシングル、まず最も注目したいのは2位のEXILE。実はこれは4月に発売したCDなのだ。7月になってからまた15万枚以上を売り、オリコン2位に再浮上している。先週、このシングルは順位を178位まで下げていたのだ。それが今週になって異常なまでの勢いでV字回復を果たしたということになる。

 なぜこんなことが起きたか。もともとこのシングルは4月の時点で「EXILEとしては初週売り上げ歴代1位」といわれて話題だった。しかしその記録も、実はファンクラブで販売されたドーム公演のツアーチケットに、抱き合わせ商品としてCDが付属していたせいなのだ。つまりこうだ。ファンクラブ会員がチケットを買い求めると、CDの引き換え券がついてくる。その引き換え券を特定の店で提示すると、CDがもらえる。この手法のおかげで、EXILEは4月に54万枚もの初週売り上げを記録したのだった。

 では7月に再び売れたのはなぜかというと、このドームツアーに追加公演が決定し、チケットがまた売られたのである。そのチケットに付属したCDの引き替え期間が7月からなのだ。というわけで、事情を知らないといきなり4月発売のシングルが急浮上したように見える珍事が起こったわけだ。

 1位の乃木坂46は初登場。さすがに4月発売のEXILEの倍以上の枚数を売っている。これは名前からも推測できるが秋元康プロデュースのAKBグループのやり方を採用したアイドルだ。初回限定盤に握手会の参加券が付属するという手法で、シングルは毎回オリコン1位になっている。ただこのグループは厳密にはAKB系でないせいか、昔ながらのメディア戦略を重視した活動を行っている。そのせいか発売10週程度でプロモーション期間が終わると即座に順位が100位圏外となる傾向にあり、もう少しグループ自体の地力が増せば運営側としてもうれしいかも。

 ちなみにCDに何らかのチケットを付属させるのは今や定番の手法で、たとえば4位のスマイレージもイベント参加抽選券を付属している。またアイドルだけと思うなかれ、3位にチャートインしたL'Arc〜en〜CielのhydeによるバンドVAMPSも、さらに5位のflumpoolも、スマイレージと大差ない「応募券」商法をやっている。ただ、販売枚数はどれも数万枚程度。「応募券」ノウハウにはAKBやEXILE関連の方が長けているということになるだろう。いずれにしても最近のオリコンチャートは曲の善し悪しより、そうしたCD販売戦略のランキングとして読めてしまう。そこが奇妙でもあり、また面白いところだ。

■さやわか
ライター、物語評論家。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。『朝日新聞』『ゲームラボ』などで連載中。単著に『僕たちのゲーム史』『AKB商法とは何だったのか』がある。Twitter

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