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柴 那典のチャート一刀両断!

B'zの「ミスチル超え」に暗雲!? 業界のベスト盤頼みも限界か

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柴那典
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 第一線の音楽ライター/評論家が、最新アルバム・シングルチャートを斬る!
 今回のレビュアーは柴 那典さんです。

2013年06月17日~23日のCDアルバム週間ランキング

1位:B'z The Best XXV 1988-1998(B'z)
2位:B'z The Best XXV 1999-2012(B'z)
3位:いいね!(´・ω・`)☆(GReeeeN)
4位:Summer Ballad Covers(May J.)
5位:連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック(大友良英)
6位:逆ギレ・アウチ!!(RED SPIDER)
7位:EXIT TUNES PRESENTS フリーバム~フリーダムに歌ってみた~(_(アンダーバー))
8位:MIYAVI(MIYAVI)
9位:Heart Song(クリス・ハート)
10位:13(ブラック・サバス)

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B'z『B'z The Best XXV 1988-1998(初回限定盤)』(バーミリオンレコード)ジャケット画像

 B'zのベスト盤の売れ行きが、今年の音楽業界の先行きを占うかも? そんなチャート状況が、2013年7月1日付のオリコンCDアルバム週間ランキングから見受けられる。

 14年ぶりに音楽ソフトの年間生産額が前年比増を記録し、音楽業界にとって久しぶりに明るいニュースとなった昨年の2012年。その勢いを牽引したのがMr.Childrenだった。デビュー20周年を迎えた昨年5月にリリースされた2枚のベスト盤は週間ランキング1位・2位を独占、ともに100万枚を超えるセールスを果たし、昨年のCD市場の拡大に大きく貢献した。音楽業界にとってそれと同じ期待を集めていたのが、6月12日にリリースされたB'zのデビュー25周年記念ベスト盤『B'z The Best XXV 1988-1998』『B'z The Best XXV 1999-2012』なのである。

 リリース週に続いて、2013年7月1日付のオリコンCDアルバム週間ランキングでも1・2位独占と、ひとまず上々の滑り出しを見せた本作。同一アーティストのアルバムが2週連続で1位・2位を獲得するのも、昨年のMr.Children以来だとか。ただし、これまでにリリースしたCDの総売上枚数が8000万枚を超え歴代1位の座を守るB'zにとって(2位はMr.Children、3位は浜崎あゆみ)、「ミスチル超え」はおそらく視野に入っていたであろう目標だ。それに比べると、現時点での累計46.8万枚、45.7万枚という数字は、少々勢いが足りない模様。さらに、6月26日にはきゃりーぱみゅぱみゅやSHINeeなど有力アーティストのリリースがあり、次週はランキング的にも苦戦しそうだ。2012年のミスチルに続いて、今年はB'zが2年連続の音楽ソフト市場回復の牽引役になれるか?と考えると、どうやら微妙な状況になってきている。

 一方、注目すべき新しい動きは、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』のサントラ盤のスマッシュヒットだ。大友良英が音楽を手掛けた『連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック』は、テレビドラマのサントラとしては異例の5位を記録。朝ドラとしては初のTOP10入りを果たしている。

 ドラマのサントラ盤がTOP5入りを記録したのは、ドラマ『美男ですね』発の『A.N.JELL WITH TBS系金曜ドラマ「美男ですね」MUSIC COLLECTION』以来。ただし、Kis-My-Ft2やHey! Say! JUMPのメンバーらによる劇中ユニットA.N.JELLのアルバムとしてリリースされた同作は「サントラ盤」というよりもジャニーズ関連商品としての意味合いが強く、それを除くとTVドラマのサントラがTOP10入りを果たしたのは、90年代以降では『東京ラブストーリー』『ロングバケーション』『冬のソナタ』の3作のみ。どれも国民的ドラマとして話題を呼んだ作品で、それと比べても遜色のないチャートアクションに、『あまちゃん』旋風の大きさが伺い知れる。

 そして、個性的で陽気なジャズテイストの主題歌をはじめ、『あまちゃん』の多彩でキャッチーな音楽を手掛けているのが、ノイズミュージックやフリージャズの分野で活躍しアンダーグラウンドな音楽シーンで信頼を集めてきた大友良英氏というのも興味深い。同氏と参加ミュージシャンからなる「大友良英 & あまちゃんスペシャルビッグバンド」のライヴも決定。朝ドラがクライマックスを迎える年末にむけて、息の長いヒットになりそうだ。

 先行き不透明な音楽業界を「じぇじぇじぇ!」と『あまちゃん』が救うことになるか? ブームの先行きに注目だ。

■柴 那典
1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば:」Twitter

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