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柴那典がバンドの課題に切り込む!

なぜBUMPは「国民的バンド」になれないのか

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BUMP OF CHICKEN
Mr.Children
サザンオールスターズ
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 この結果から浮かび上がるのは、いまだ彼らが「思春期な感情を歌い上げる」バンドとして愛され続けている、ということだ。ファン層の中心は10代後半から20代。そして、彼らが活躍してきた90年代末から00年代は、デフレ不況の停滞が続いた時代と重なる。そういった「明日の見えない閉塞感」を抱えた若い世代の”象徴”としてのバンドのイメージが固まっていることが伺える。

 また、いささか逆説的な表現になるが、BUMP OF CHICKENというバンドの誠実さ、真摯さが足枷になっている、と見ることもできる。

 前述のMr.Childrenやサザンオールスターズ、さらにローリング・ストーンズなどの偉大なロックバンドのキャリアを振り返ると、必ず「問題作」とされる作品を作っている時期がある。デビュー当時からのイメージを覆し、その当時の流行のサウンドやモードを大胆に取り入れる時期。一方で、内面を追求しダークな表現に至る時期。どちらの場合もファンの間では賛否両論を巻き起こす。

 それに比べると、BUMP OF CHICKENは、デビュー以来、真っ直ぐに成長を重ねてきた印象がある。ファンの期待を裏切らず、誠実に音楽性を深めてきた。そのこと自体は責められるようなことでは一切ないが、言ってしまえば”波風の立たない”キャリアを重ねてきたとも言える。

 バンドの次のステップ、世代や時代を超えて愛される存在になるための道程を考えたときに、今の彼らが乗り越えるべき「壁」は、それこそ”天体観測”や”ガラスのブルース”などの初期の代表曲を超えるインパクトとスケールを持つヒットソングを作れるかどうか、ということになるだろう。そのためには、あえてファンが眉をひそめるほどの路線変更や問題作にトライするのも、一つの手と言えるかもしれない。

 新曲「虹を待つ人」は、8月24日公開の映画『ガッチャマン』の主題歌に起用される。公開されたインタヴューによると、精力的にレコーディングも進んでいるようだ。次作でどんなチャレンジを見せてくるか、期待したい。

■柴 那典
1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば:」Twitter

      

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