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柴那典がバンドの課題に切り込む!

なぜBUMPは「国民的バンド」になれないのか

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柴 那典
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BUMP OF CHICKEN『BUMP OF CHICKEN I [1999-2004]』(トイズファクトリー)ジャケット画像

 00年代以降を代表する日本のロック・バンドと聞いて、真っ先に彼らの名を思い浮かべる人も多いだろう。メジャーデビューから13年、沢山の熱心なファンを抱え、音楽シーンに大きな存在感を持って君臨するBUMP OF CHICKEN。ファンにも愛され、ミュージシャンや評論家からもその音楽性を高く評価され、数々の大型タイアップにも恵まれ、順風満帆のキャリアを重ねてきたバンドだ。

 しかしここでは、あえて今のBUMP OF CHICKENに「足りないもの」について考えたい。バンドが次のステップに向かうために乗り越えるべき「壁」について書こうと思う。

 はっきり言ってしまうと、果たして彼らがMr.Childrenやサザンオールスターズに匹敵するような「国民的バンド」になっていないのは何故だろうか? という話だ。そのポテンシャルは充分ある。現在30代前半の4人。少なくとも同世代のミュージシャンの中では最もその地位に近いと言える。

 知名度やセールスだけなら他にも候補はいるかもしれないが、彼らほど同じミュージシャンからも一目置かれ、文化人やクリエイターからも愛されているバンドは他にいない。まさにMr.Childrenの桜井和寿も彼らのことを高く評価している一人だし、シングル「Smile」での漫画家・井上雄彦など、異分野のクリエイターからの熱烈なオファーでコラボが実現する例も多い。

 そして、彼らの今年の活動は、熱心なファン以外にもバンドの存在をアピールする、またとない機会になっている。先日には、キャリア初のベスト盤『BUMP OF CHICKEN I [1999-2004]』『BUMP OF CHICKEN II [2005-2010]』がリリースされ、それぞれ初週17.3万枚・16.8万枚を記録。オリコンチャート1位・2位を独占した。そのベスト盤のリリースを記念して、8月9日には地元・千葉のQVCマリンフィールドで4万人動員予定のライブも敢行される。バンドにとっても、初期からの歩みを集大成し、スタジアム・バンドとして歩みを進める新たなターニングポイントを迎えているわけだ。

 ただ、気にかかるのは、バンドにとって代表曲と言えるほどのインパクトと浸透度を持った楽曲が、初期のものに集中していることだ。その事実は、ベスト盤のリリースに際して行われたファン投票から浮かび上がる。

 レコチョクが発表したユーザー投票による「BUMP OF CHICKEN名曲ランキング」は、以下。

1位:天体観測
2位:K
3位:カルマ
4位:ガラスのブルース
5位:車輪の唄

 そして、タワーレコードの独自企画「BUMP OF CHICKEN アワード」で、やはりユーザーの人気投票によって選ばれたベスト盤の中の人気曲が以下。

1位 ガラスのブルース
2位 ギルド
3位 ロストマン
4位 Stage of the ground
5位 HAPPY

 どちらも初期の楽曲が上位になっている。ここ数年はフォークやトラッドなどにも接近し、より成熟した音楽性を追求している彼ら。バンド初のCMソング「涙のふるさと」や、映画『ALWAYS 続・三丁目の夕日』の主題歌に起用された「花の名」など、大型タイアップを獲得し幅広い層に訴えかけるきっかけとなったシングルもリリースされているが、リスナーには選ばれていない。

     
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